Molly Johnson

今回は、2009年のカナダの Juno Award で Best Vocal Jazz Alubum、そして同年に
National Jazz Award for Best Female Vocalist を受賞した、Molly Johnson の登場です。

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始めてモーリーの歌を聴いたのは70年代の中頃に TV ショーに出ていたモーリーでした。
駆け出しの舞台俳優である彼女の姉妹と二人でその番組にでていた彼女はまだ若く、
多分私より少し若いか、同年代であろうと思われました。
その二人にとっては始めてのテレビ出演のような様子で、恥じらいが隠せない様子でした
がモーリーが歌いだすと、そこにはもう同じ人だと思えないほど度胸の座ったヴォーカリスト
の彼女が存在していました。

いまでも彼女の歌っている Summer Time のイメージが頭の中にインプットされていて、
その強烈な個性が30年経った今でも忘れる事ができません。
この曲は、彼女がいつもステージで歌うようなのできっと彼女の十八番なのでしょう。

そのブルージィーで、古い映画のシーンにでも合いそうな雰囲気をもった彼女の声に
胸が躍ったというか、凄いもの発見しちゃったという感じでした。

彼女の長い経歴では、年代によってかなりの変化があり、Rock, Disco, Funk, Blues
と一つのジャンルに固定しなかったせいか、どちらつかずの定着したファンが得にくかった
かも知れません。
80年代に入って、Alta Moda ( イタリア語で Hight Style ) というグループを作り、活躍
していたのですが、音楽界でも彼らの位置づけがしずらくて、どのジャンルに入れてよいも
のか分からなかったようで、これも不運の原因かもしれません。

1987年に何枚目かの Alta Moda の LP レコードがでたので、何を期待して買ったのか定か
ではないのですが、それが Funk Groove のようでもあり、ポップスのようでもあり、なん
だか居心地の良くない椅子に座っているような感じがした事を覚えています。

彼女の声が大好きなのに、このレコードのスタイルはイマイチ好きにはなれませんでした。
その後、彼女の低迷期が続き一時はもう駄目かもしれないと思った事もあったそうです。
90年代は、きっと彼女にとって音楽的には辛い時期だったでしょう。

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ところが2000年になって、店頭で彼女のCDを見つけた時はとても嬉しかったですね。
タイトルは、”Molly Johnson ”この盤ではJazzy Approach で楽しませてくれました。
ちょっとカントリーぽい曲もはいってたりするのですが、全体的に彼女の良さが出されて
いて、Long Wave Goodbye という曲には、なんと Stephane Grappeli のヴァイオリン
がフィーチャーされていてなかなかいい感じ!

最後の曲、Don't Explain なんかビリー・ホリデーよりも自分的には好きっていうか、あまり
ねっちゃりしてなくて、淡々と言葉の意味を噛みしめて歌っているところが心に響いたなぁ。

その次に出たのが、2002年の ”Another Day” です。
Summer Time から始まるこの盤は、全曲はジャズではないですが、彼女のけだるい
ソルティーで、ブルージィーな声をとても生かせている選曲で一杯。



ちょっとノスタルジックな雰囲気が全体に漂っていて憂鬱な雨の日に熱い珈琲を飲みながら
聴いてみたい盤とでもいうか。

Melody は、その中の一曲で。 Holly Cole や Cassndra Wilson をプロデュースした 
Craig Street がこの盤をプロデュースしています。

Molly is back ! 私の聞きたかった彼女が、一番初めに聴いたあのモーリーがやっと戻ってきた。

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そして、この ”Messin' Around” が2006年に発売されて彼女は精力的に活動している。
あるインタヴューで、彼女はこれまでのように悲しい歌を沢山歌う必要もない、私は二人
の可愛い子どもの母親でもあり、パフォーマーでもあり、主婦であり、妻であること!を
強調しているのでした。彼女は現在とても公私ともども充実しているのでしょう。

このCDと共に彼女はフランスまで出稼ぎ(遠征)に行った。
フランスでは爆発的にこのCDが売れて、一躍有名人になってしまった。
ヨーロッパで発売されたジャケットは、カナダのとは違ってちょっと大人っぽいブルーのバック
グラウンドの横顔だが、私はピンクのジャケットの彼女の笑顔はもっと素敵だと思うけど。
選曲も、Prince , Bruce Springsteen, Gershwin、オリジナルと盛りだくさんです。

インタヴューで、”フランスでは、えらい大ヒットだったんだってね、凄く有名になってしまった
じゃない” と言われて彼女は、”って言ってもねジェリー・ルイスだってフランスでは有名
なのよ、そういう事だから人の話は半分に聞いていたほうがいいのよ”と謙虚な一面を
持っている人だと思わせた、やはり地道にこの世界を長く生き抜いてきた彼女だからでてくる
言葉には真実味があるなといやに感心してしまった。

2009年に、トップに貼った ”Lucky” でベストアルバムに選ばれました。
やっと花が開いたというか、モーリーファンにとって嬉しい遅咲きの大輪なのでした。
好きな Phil Dwyer のサックスも素敵、選曲もジャズファンにはお馴染みのものが多く
きっと貴方にも満足していただけるでしょう。

最後に、モーリーの Summer Time で締めくくることにしましょう。




↓ この前にご紹介した、Botos のピアノがバックです。

http://www.youtube.com/watch?v=R60XuAVBLs4

↓ Molly Johnson のホームページです。

http://www.mollyjohnson.com/about.html
2009年11月17日 | Comments(6) | Trackback(0) | Vocal

Gentle Rain

お馴染み Brazilian ギターリストでコンポーザーの Luiz Floriano Bonfa の名曲です。
Matt Dubey のシンプルな詩がなんとも言えなく哀愁を誘う寂しさを漂わせていますね。

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(photo by H.S.)

まずは、Astrud Gilberto の為に詩がつけられた1966年のものが一番有名でしょう。
Burt Balaban のフィルム ”The Gentle Rain” のテーマソングですが、これが映画の
挿入歌だと言うことはずっと後になるまで実は知りませんでした。
映画自体は、なんだかあまり評判は良くなくって、ヒロインは大根役者だとか、配役がダサイ
とか、ストーリーは途方もなく馬鹿らしいとか色々と言われたようですが、この曲だけは
一人歩きして、多くのミュージシャンが多様なスタイルで歌ったり奏でたりしています。
まずは、Astrud Gilberto の可憐な歌声からスタート!



We both are lost
And alone in the world
Walk with me in the gentle rain

Don't be afraid
I've a hand for your hand
And I will be your love for a while

I feel your tears as they fall
On my cheek
They are warm like the gentle rain

Come little one
You've got me in the world
And our love will be sweet
Very sad, very sweet

Like the gentle rain
Like the gentle rain
Like the gentle rain

迷い人になった二人
この世界にただ一人
優しい雨の中を一緒に歩きましょう

恐がらないで
私の手があなたの為にあるわ
すこしの間、私はあなたの恋人

私の頬に落ちるあなたの涙
それは暖かい優しい雨のよう

小さいものよ、こっちにいらっしゃい
私は、あなただけのもの
そして私達の愛は甘く
とても哀しく、とても甘い

それは優しい雨のよう
それは優しい雨のよう
それは優しい雨のよう

( 翻訳 by manmarukumi )

ひたすらに感傷的な詩の内容だけに惹かれたのではなく、シンプルなメロデイーが
心地よかったという感じでしょうか。(今で言う癒し系なんでしょうね)
まあ、そんな訳で機会があるごとに色々なヴァージョンを探し求めていました。

その中でも、これ以上シンプルに歌えないというほど飾り気がないのが Irene Kral の
Gentle Rain (1978)です。 Alan Broadbent のピアノが静かに流れていく、その静けさの
中で詩を朗読しているような簡素なアレンジがこの人の良さを出しているように思えます。
大人の一曲!

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次に好きなヴァージョンは、カナダの歌姫、 Emilie- Claire Barlow の Happy Feet から。 
Barlow の声質はボサノヴァに最適、この曲にとても合っていて軽くてスムーズな流れは、
彼女の音感の良さとセンスを感じさせます。バックのメンバーも一流ぞろいです。
(彼女のお父さんは、ドラマーの Brian Barlow です)

今年も、日本で素敵なライブを繰り広げてきた彼女ですが、その歌の上手さはカナダでは、
とても評価されています。
私は、あまり甘い可愛い声は好きではないのだけど、彼女のリズム感とそのスイング感
の素晴らしさに可愛いを通り越した上手さが感じられます。彼女は私にとって例外中の
例外なのです。

この春に彼女のライブを聴いて、声に深みが増しとても艶が出てきて素敵さが倍増
していました。デビューからずっとフォローしていますが、これからがうんと楽しみな
ヴォーカリストです。また後ほどヴォーカルのトピックで取り上げたいと思っています。

次はピアノトリオで、歌のない Shirley Horn ってちょっと珍しいですね。
Lazy Afternoon (1978) の盤の中に Horn がピアノだけ弾いているこのヴァージョン
は、ベースの Buster Williams がもう最高にクールです。

このベースがピアノと同等に素晴らしく生き生きとしていて、ベース好きの私としては
文句のつけようがないくらい素敵な Gentle Rain に仕上がっています。
弦の響きが、その表情がもう楽しくって何回きいていても飽きません。

ドラムの Billy Hart も良。この優しい雨は、9分58秒もふり続けるのでありました。

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そしてもう一人のカナダの歌姫、 Diana Krall です。もう説明不要のビッグスターになって
しまったダイアナですが、私はどちらかと言うと初期の頃の彼女の方が好きです。
今回は、1997年盤の Love Scenes からの Gentle Rain を選びました。

この盤には、ギターに Russell Malone, ベースに Christian McBride がバックを固めて
います。ダイアナのピアノもリラックスしていて彼女のおおらかさというか、今の声よりも
少し太めの感じで、姉御のイメージがまだ残っています。

これから後にジャケットはセクシー路線に変化していくのですが、エルビス・コステロと
結婚してからなんだか少しづつ歌の方向が変わっていったように感じたものですが、
最近見た、リオ デ ジャネイロのライブDVDでは、彼女らしさがまた戻ってきたように感じて
嬉しくなりました。っていうかお母さんになって一回りたくましくなったようです。 
しかし元気な男の子の双子がいるとそうなっちゃうでしょうね。頼もしいぞダイアナ!

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フルートで始まる、Laura Ann の Summer Samba (2008) のスモーキーヴォイスの
Gentle Rain もなかなか素敵です。このボサノヴァの盤、かなり気に入ってます。
Kevin Harding のギターと、Rodrigo Ursaia のフルートがきいていて爽やかです。
この盤もジャズ仲間に紹介していただいたものですが、ヴォーカルは私の十八番
ではないので、ジャズ仲間の情報はとても貴重で有難いものですね。

さて最近では、Berbra Streisand の新譜にもこの曲が選択されています。
Love Is The Answer (2009) 二枚組みで同じ曲をオーケストラをバックに歌ったものと、
Diana Krall がピアノ伴奏をしているもので、これって別にピアノがダイアナでなくても
よかったんじゃないって感じでしたが、かなり話題性を狙っているのでしょうね。
とにかく Berbra 節は健在で。。。ああ〜っ、なるほどねって感じでした(笑)
彼女独特の鼻まわし?というか、フレーズのつけ方が Berbra そのものですね。

そして最後にカナダのミュージック界の仕事人、 Wayne Kelso のこのアレンジメントがとても
素敵なので聴いてみてください。こういう感じとても好きだなぁ。



↓のアドレスで彼のアレンジメントが沢山きけますのでお時間のある時にでもどうぞ。

http://www.waynekelso.com/

まだまだ沢山、素敵なヴァージョンはあるのだけど男性が歌っていのでは
Tony Bennett が思い浮かびます。

インストではギターの George Benson など, 他にはどんな素敵なヴァージョンが
あるでしょうか。
あなたのお好みのヴォーカルは?インストでは? そっと 教えてくださいね。
だって Gentle Rain なんだもの。

2009年11月09日 | Comments(14) | Trackback(0) | Favorite Tune

Robi Botos

今回のピアニストは、ハンガリー生まれの Robi Botos をご紹介しましょう。

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(photo by Mr.M. /2007)

ご存知のようにカナダは移民で形成されている国です。様々な国から色々な理由で
このカナダを選び、この土地に根をはって生きていく訳なのですが。
Botos も同様にこのカナダを選び、トロントを拠点にして活躍している若手ピアニストです。

まず彼の名前から明確にしていきたいと思います。

FMラジオで彼の名前を聞いていると、ボトスと発音したり、ボトッシュと発音したりと
定かではありません。そこで前回のライブの時、直接ご本人に訊ねてみました。
そして正解な発音は”ボトッシュ”なのだそうです。
ハンガリー語の発音ではSの後にHがつくように (Botosh) 発音するのだそうです。
それで始めは、彼もちゃんと間違いを正していたのだけど、何回言っても駄目なのでもう
そのまま好きなように呼んでもらっているよ、諦めたと言って笑っておられました。

ハンガリーの Nyiregyhaza (発音が分かりません)地方の Romani (Gypsy) の音楽一家
にうまれました。1978年生まれですからまだ若干31歳の若さです。
小さい時から、父親や二人の兄弟の中でドラムやパーカッションを演奏しながらジプシィー
音楽を身につけていったロビィは7歳の頃から独学でピアノを始めたそうです。

1998年に二十歳でカナダに移住してからの彼の活躍は目覚しいです。
その幾つかの活躍ぶりを抜擢してここに記しておきましょう。

the Hungarian AORTA national jazz band competition.
1998 "Best Soloist" prize at the Hungarian Bartok Radio's international
jazz piano competition.
2004 First prize and public prize at the International Montreux Jazz
Festival's solo piano competition.
2005 Best soloist prize and 2nd place at the International "Jazz Hoeilaart"
band competition in Belgium.
2005 Official IAJE (International association for jazz education) award
in Long Beach, California.
2006 Runner up at the Great American Jazz Piano Competition.
2006 Nomination for "keyboardist of the year" at the National jazz awards.
2006 3rd prize at the "Martial Solal" Piano Competition in Paris France.
2006 JUNO Nomination for "contemporary jazz album of the year" for
"One Take". 2006 National Jazz Award nomination for "Keyboardist Of
The Year"
2007 National Jazz Award for "Keyboardist Of the Year"
2007 Finalist at the "Great American Jazz Piano Competition" in
Jacksonville Florida. 2007 NOW award for "Best Jazz Artist"
2008 National Jazz Award Nomination for "Keyboardist Of The Year"
2008 First prize Winner at the "Great American Jazz Piano Competition"
in Jacksonville Florida.

短い期間に、こんな凄い経歴を手に入れているという事に驚かされてしまいす。



まず私が彼の事を知ったのはそう昔の事ではありません、せいぜい数年ほど前なの
です。ジャズ仲間の Mr. M 氏が ”クミちゃん、めちゃ凄いピアニストを聴いてきたでぇ”
と言う。 どこか東欧辺りから来ているピアニストだと仰るではありませんか。
この時点において彼の事はまっく未知の人と思っていたのでした、(実はCDをもっていた)
そのお話ぶりからこのピアニストがかなりの技術をもち、またスイング感もよく、将来が
とても楽しみだ、しかもまだかなり若いというお話でした。

Mr. M 氏に逢うごとに、彼の演奏はとにかく素晴らしいというので想像は膨らむばかり。
案外早くライブが聴きたいという願いが叶い、去年の10月に期待のピアニスト Robi Botos
の生のピアノ演奏を ”一力”レストランのジャズナイトで聴くことができたのでした。
(このジャズナイトは”一力”のオーナーとMr. M 氏がプロデュ−スされているのです)

期待。。。うらぎりませんでした。スイング感抜群、繊細かつダイナミック、めちゃええやん!

見た目にはとても優しい指から(ダイアナ・クラールの方が男性的な指をしている)、溢れる
エネルギーが、感情が、うわ〜っと流れだす瞬間、その流れに自分が乗せられてしまう
無抵抗の感覚。否応いわせないそのパワーといいましょうか。
只者じゃないぞ!これだけの賞を総なめにした理由が、なるほど分かりました。

その後二回ほど聴いたデュオのパートナーは、お馴染みの Neil Swainson です。
Neil のベースととても相性がいいです。もう完全に Botos のファンになってしまいました。
年齢層の高い40席のライブでは、選曲も落ち着いたものが多く彼のロマンティックな面を十分
に堪能しました。Secet Love, Love Letter, Speak Low, In Your Own Sweet Way など。
でも Charlie Parker の Anthoropology や、Wayne Shorter の Foot Prints なんかも選んで
演奏してくれたのでちょっと嬉しかったな。やはりこういう選曲が入ると盛り上がりますね。

いつも思うけどNeil はデュオでプレーする場合、本当に相手の良さを惹きたてる事を良く
理解しているプレーヤーだと思う、そういう所がこの人の凄いところだと思います。

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(Neil Swainson & Robi Botos, 10/3/2009)

さて、話をロビィにもどしましょう。この短期間に彼は数多くのミュージシャンとの共演を
果たしています。

Archie Alleyne, Roberta Gambarini, Joey Defrancesco, Peter Appleyard, Dave Young,
Pat LaBarbera, James Blood Ulmer, Jackie Richardson, Norman Marshall Villenuve,
Michael Brecker, Toots Thielemans, Guido Basso, and Avishai Cohen.

などなど、数え切れないです。
最近のものでは多分このブログを覗いていらっしゃる方ならご存知の
Sophie Milman の新譜 ”take love easy” からの一曲、50 Ways to Leave Your Lovers
です。徐々に彼のピアノが絡んできます、最後のパートでは気持ちよく走っていますね。
パーカッションが効いていてラテンの乗りでなかなかいいなぁ。
ソフィーのヴォーカルで彼のピアノが聴けるとは嬉しいでしたね。

さて、手元にあったもう一枚の盤、実はずっと前から持っていたものでした。
恥ずかしいですが、Mr. M から言われるまで気がつかなかったのです。

そのタイトルは ”ONE TAKE” volume two というシリーズでワン テイクで録音しよう
というコンセプトでAlma Records から2005年に製作されたものでした。
ダビングやオーヴァーラップをやめて、そこにある今をミュージシャンがリラックスした状態で、
ワン テイクで何が出来るか、想像もできない瞬間を録音しようという企画でした。

ドラムとPhil Dwyer のサックスに気を取られていたこともあるのですが、確か Botos が
Fender Rhodes を弾いていたのです。(前回のトピックで貼り付けた You-tube です)
始めの数曲だけ聴いて、その後そのまま忘れちゃっていたのでした。(私としたことが)
そんな分けで即引っ張り出して聴きなおしました、始めの二曲を聴いてピンと来なかった
んだなって感じでしたが、聴きこんでいくと数曲目 (Nothing Personal ) からだんだん
調子がついてきたぞ、ベースのMarc Rogers もよし、なかなか楽しい盤じゃないですか!
Terri Lyne Carrington のドラムがとてもパワフルで嬉しくなりました。

次に紹介する盤は、彼がカナダに来て始めて自分達で製作したという兄弟のトリオ盤、
”The Botos Brothers” です。2000年に発売されています。

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Robert Botos(p), Frank Botos(ds), Louis Botos(b, vocal),
そしてゲストミュージシャンに
Pat Labarbera(sax), Don Thompson(b), Attila Darvas(b) を迎えています。

全8曲、7曲が Botos のオリジナルで、その優しい人柄がこれらの曲でうかがえます。
彼の奥方の為に作曲された Violet という曲を聴いていると彼女に対する愛おしい
気持ちが溢れんばかりに五線の上を流れています。

ジプシィー民謡にインスパイヤードされた曲あり、Bop 系あり、そして三兄弟の中で一人
ハンガリーに残って活躍しているベーシストの Louis Botos は、この盤で参加しており
素敵なヴォーカルを一曲だけ披露しています。
じらさないでもっと聴かせてって言いたい、Reveries of Love を淡々とベースを弾いて
いるかのごとく歌っているのがまたなんとも言えなく心に響きます。
ここではオールマイティーの Don Thompson が Louis の代わりにベースで参加して
います。

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Robi Botos(p), Mark McLean(ds), Pat Kilbride(b)

そして2008年に出された一番新しい盤、”Christmas Eve” Robi Botos Trio 盤では、
彼のロマンティストな部分が前面に押し出させています。この盤はクリスマス曲集だけ
れども、普段に聴いていてもまったく違和感のないくらい繊細で素敵なアレンジです。

彼女との二人きりのクリスマスディナーは、この盤でいけば必ず君のセンスの良さに
彼女はマイってしまうって感じかな。
それほど、この一枚は素敵なクリスマスイヴを約束してくれるでしょう。暖かくて、優しくて
ちょっとメローで、まるで時が止まったような二人の空間を作りだしてくれるでしょう。
もちろん一人で聴いていても十分に素敵なのは言うまでもないですが。

ドラムもベースもほどよく絡んでいて文句なしです。私はクリスマス曲集が結構好き
なんだけど、この盤はお世辞抜きに本当に良いです、まん丸の一押しです!

さて、カナダで一番有名なピアニストはオスカー・ピーターソンですが、オスカーの追悼
のイヴェントで Botos がオスカーに捧げた曲 ”Emmanuel” を最後にご覧下さい。
これからのカナダのジャズ界を背負っていく若い才能、期待の新星 Robi Botos でした。



↓ここに彼のマイスペースを貼り付けておきましょう。

http://www.myspace.com/robibotos

↓おまけに、もし時間があればこれもどうぞ、私こういうファンク系もとっても好きなんです。

http://www.youtube.com/watch?v=xuRw5dEZMys&feature=related

2009年10月25日 | Comments(18) | Trackback(0) | Piano

Robi Botos & Neil Swainson Live (10/3/09)

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(photo by Mr. H.K. & background photoshop by manmarukumi )

先週は、 Neil Swainson (b) と Robi Botos (p) のデュオライブを聴きにいきました。
最近、一番目の離せない若くて、エキサイティングで、凄い、と言えるピアニストです。
ハンガリーで生まれた、ジプシー音楽一家の出身、若干31歳の若手ですが2000年
辺りから国際的なコンペティションで多くの賞を総なめにしています。
詳しい事は、後ほどピアノ奏者で紹介したいと思います。

今回で彼を聴くのは三回目になります。毎回とても圧倒されてしまって、その後は彼
の演奏が頭の中で一週間は余韻を残しているくらいインパクトがあります。

コロコロと良く転がり、右手が面白いほど楽しく踊ります。
そのスイング感は抜群、観客をぐいぐいと引っ張っていく力強さは頼もしいです。

パワフルでありながら、ロマンティックな選曲では途方もなく甘くせつなく。
Be Bopでは弾き飛ばされるような快感で ”わぁ、めちゃええやん” という具合です。
いやぁ〜何時聞いてもこのパワーには無抵抗に押し倒されてしまいます。
なんだか変な表現、でもそういう感じなんですね。(笑)

今回のニールは、スターの座をロビィに譲って、完全にサポートに回っていたように感じ
ます。その気遣いっていうかニールの器の大きさを感じました。
もちろんサポートと言っても彼のいつもの演奏とは変わることなく心地よいベースの
存在は十分に楽しめたことは言うまでもありません。

今回のお写真は、ライブに来ておられていた Mr. H. K. 様の提供でアップする事が
できました。
私とした事がカメラに充電したバッテリィーを入れ忘れ、いざカメラを使おうとボタンを押し
たら、 Dead Silence ! あちゃこんなはずではなかったのに。
この言葉は使いたくなかったけど ”なんでやねん” がまた出てしまいました。

いままでこんなヘマはやった事がなかったのに、しっかり退化している頭脳の状態を
把握せねばならないのでした。歳を取るってこういうことなのね(泣)。

そういう訳で、 Mr.K. 様、この場を借りてお礼をも申しあげます。
無理なお願いを聞いてくださって有難うございました。素敵に仕上がりました。
 
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さてさて、1st. set は:

*There Is No Greater Love, バラードで始まったライブは Isham Jones の曲から。

*I Fall In Love Too Easily, 右手が優しい雨を降らせているようなタッチです。
 こんな ロマンティックなピアノでこの曲を Chet Baker に歌わせたいです。

*The Days Of Wine And Roses, ここでは何小節かごとに掛け声のように頻繁に
 パートを相手にふっていました。まるで会話のような進行でインプロヴァィゼーション
 がなかなか楽しいでした。
 いつも思うのはこの曲は映画の挿入曲ですが、Alcoholism (アルコール依存症)を
 題材にした悲劇のドラマなのに、なんて美しいやるせない曲なんだって思わずにいら
 れません。この曲を聴くたびに映画の中の悲しい場面が頭をよぎってしまいます。
 ジャック・レモンが凄い迫力の演技を見せていましたね。

*Someday My Price Will Come, ビル・エヴァンスより良かったかも。

*Things Ain't What They Used To Be, デューク・エリントンで締めくくりです。
 盛り上がりを最後に持ってきたか!休憩は彼らとのお喋りもあるから楽しみだ。

このセットではロマンティックな曲でまとめられていましたから、セカンドセッションは
どういう展開になるのだろうかと、ワクワクしながら始まりを待ちました。

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2nd. set. は軽快に始まりました。

*I Hear A Rapsody, まるで鍵盤をパーカッションをたたくかの様に弾いています。
 クリーンでクリスプな音色です。Botos の音はストレートに入ってきますね。

*Golden Earrings, この曲を始める前に Botos は聴いて欲しい曲があるといいました。
 それは彼の母国ハンガリーのジプシィーのフォークソングだと言うではありませんか。
 あまりに Victor Young のこの曲と似ているので聴き比べてみて欲しいというのです。

 この曲は、今までインストでしか聴いていなかったので詩があるのも意識しないでい
 ました。歌詞を後で調べてみたら、ちゃんと歌っているではありませんか、ただの
 金のイヤリングでなく、ジプシーの金の耳飾を歌っていたのですね。
 ひょっとしてこれって Victor Young はこのフォークソングからアイデアを取ったのかな
 となんだか唖然!きっと Botos にしても複雑な気持ちなのかも。

ここで Golden Earrings を聴いてみてください。



 さて話は戻って、確かに良く似ていました。どこから Young の曲に変わったのかも
 分からないくらいに。ハンガリーのジプシィー達が著作権うんぬんとは言わないで
 しょうが、まあ良くあるお話だなってことですね。

 ライブに行くと面白い話も沢山聞けて、こういう情報って興味深いですね。

*Foot Prints, なんだか急に Wayne Shorter がきました。実に快適 Fantastic !

*My One And Only Love, この曲いいなぁ、きっとロビィのお気に入りでしょう。
 彼のソロピアノを聴きにいった時もこの曲を弾いていました。
 その時のアレンジも素敵なものでしたけど、今回もまた優しさの溢れでる感情が
 惜しみなく観客に注がれていました。

*Billy's Bounce, ニールとロビィ乗ってますね、終わりに近づくとエネルギーが
 燃え尽きようとしているのか、熱くなります。だからライブはたまらない!

*I've Got Rythm, 最後に楽しい曲がきました。二人のパワーが全開です。
 早く終わりませんように、出来るだけ長く続きますように。

でもライブはアット言う間に終わってしまいます。この時間は何もかも忘れて
ただただ音楽を楽しんで、その中に身を委ねていればよいのですから。

音楽から与えられる力、音楽から与えられる喜び、それを共有できる人達。
最高にエンジョイできる環境 ”一力” のライブってやっぱしいいなぁ〜

次のトピックではピアニストの Robi Botos をご紹介しようと思います。

秋の夜長は、やさしいハーブティーでも飲みながらピアノトリオなどを聴いて
過ごすのもいいですね、暖かくして風邪などめしませんように。

2009年10月08日 | Comments(16) | Trackback(0) | Live

Dave Young

ステージのバックグラウンドに映し出されたディヴさんのシルエットが私にとって
Dave Young のイメージそのものなので今回はこの写真を選びました。

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(photo by manmarukumi)

彼の名前はオスカー・ピーターソンのトリオでご存知の方も多いと思います。
オスカーが長年連れ添っていたベーシストの Niels-Henning Orsted Pedersen が
亡くなった後にそのポジションを誰に託すかで即名前の浮かんだのが Dave Young
でありました、Ray Brown や Pedersen に劣らぬ素晴らしい技術とセンスを持ち
合わせたベーシストです。

ベースにはちょっと煩いといわれたオスカーに躊躇なく彼の名前を選択させた事は
多くのミュージシャン達がセッションに彼のベースを歓迎する同じ理由からでしょう。

ウィニペグ(マニトバ州)生まれのベーシスト、コンポーザーでもありジャズ教育にも
力を注ぎ2003年には、 Award of Outstanding Service of Jazz Education を受賞
しているディヴさんは、同じ年には Jazz Bassist of the Year にも選ばれています。
もうすぐ ” Heavenly Seventy ” になろうとする現役の素晴らしいベーシストです。

クラシカルのトレーニングの後、ウィ二ペグやエドモントン・シンフォニーなどに在籍し
クラシカルの分野でも活躍、今でもジャズと平行してシンフォニーなどの演奏も続けて
います。 クラブやバーやフェスティヴァル、コンサート、あらゆる場での活躍は留まる
ところを知りません。

私がディヴさんのファンになったのは、この土器のような温かみのあるボ〜ンという
音色でした。決して華のある自己主張の強いベースではないと思います。
でも彼の弦音は、何故か心の中にじわ〜っと入り込んでそのまま心を包みこんで
しまうような安心感があるのです、そこが好きになった一つの理由かもしれません。

しかしそれだけでなく、ステージのディヴさんは時として思いもよらぬ熱い熱風も
引き起こし、その長い指がまるで蜘蛛が糸をひくように弦の上を走るのでした。
その爽快な指の動き!それからもう Dave Young の虜になってしまいました。
そして彼は bow ( 楽器の弓 ) 使いの達人でもあります。
私のハートは、彼の放つ蜘蛛の糸にぐるぐる巻きにされてしまったようです。

まずここでオスカー・ピーターソンのクオテットで演奏する Dave Young をご覧下さい。



一番初めに彼のライブを聴いたのは偶然に予定のベーシストがこれなくて代役だった
Gene Di Novi のトリオでした。
まさか憧れの Dave Young がその代役だとは、まったく想像もできなかったので、
その時の私の驚きと喜びはもう天にも舞い上がってしまうほど嬉しい出来事でした。

しかもジャズ友の Mr. M 氏とディヴさんはお知り合いだったので、Mr. M 氏の計らいで
ステージから飛び降りてきたディヴさんと写真もご一緒に(私ってミーハー?なんです)
もう嬉しくてその夜はかなり興奮気味でした。その写真は私の宝物なのです。

ピアニストの Oliver Jones In Africa というヴィデオを見てから、私はこの暖い目と
温かい音を持ったディヴさんの音をいつか生で聴いてみたいと思い続けていたので、
そのライブは私にとって特別な思い出のライブにになりました。
それ以来ライブを重ねるごとに彼のプレーが益々大好きになります、一度も期待を
裏切らない演奏、Dave Young の器量と技術は衰えることなく健在なのですね。

BRAVO DAVE, YOU ROCK ! って掛け声をかけたくなっちゃう(笑)

さてさて、ベーシストとドラマーのリーダー盤を探すのは大変ですね、まず数が少ない
です。でも参加盤は数え切れないほど途方もなく沢山あってどこから始めてよいのやら、
そういう感じではないでしょうか。

Dave Young と共演しているピアニストには Tommy Flanagan, John Hicks,
Kenny Barron, Barry Harris Ellis Marsalis, Mulgrew Miller, Cyrus Chestnut,
Ceder Walton, Renee Rosnes など名前を挙げていくと限りがありません。

それを一まとめにしたものが、この盤 Two by Two - Volume one (1995)
ピアノとのデュオです、Justin Time からこのシリーズが三枚でています。

Volume 1 と 2 は一人のピアニストが二曲づつ弾いてます。
どれも同じような構成ですが Volume 3 はディヴさんと11人ものピアニスト
の集合盤で目がまわりそうですが選曲がいいと思います。
この盤のタイトルは、こちらではどういう訳か Side by Side になっています。

他には、Dave Young Trio - Inner Urge (1997) この盤ではゲストに Gary Burton
(vib) が参加しています、ちょっと控えめのおとなしい盤といいましょうか。
9曲のうち4曲がオリジナルです。

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私のお気に入りのリーダー作は、TALE OF THE FINGERS (2000) です。
メンバーは、Ceder Walton (p), Barry Elmes (ds) のトリオです。
弾むような Ceder Walton のピアノで始まるこの盤は聴くほどにだんだん好きになり
ます。ディヴの軽快な指さばきの心地よさ、そして彼のオリジナル曲もふんだんに聴く
事ができます。シーダーとの相性がとてもいいですね、この盤は一押しです。

Dave Young Quintet - Mainly Mingus (2005) このメンバーはとても気に入って
います。Gary Williamson (p), Kevin Turcotte (tru), Perry White (sax),
Terry Clarke (ds) 8 曲中、2 曲はYoung のコンポジションで後は全てタイトルが
示しているようにミンガスの作です。

こういう Be-Bop の選択は熱いエネルギーとそこでしか味わえない Improvisation の
楽しさは言うまでもありませんが、気持ちの良い管の入ったところが私のお気に入りの
一枚です。

あるコンサートの時にこの盤にサインをお願いしようと思って持っていきました。
ライブの後にステ−ジに残っておられたディヴさんに声をかけました。

すると彼は驚いたように ”へ〜っこの盤にかい、君はミンガスが好きなのかい?
僕はね、ベーシストの中ではミンガスが一番好きなんだよ、彼は最高だよ” 
と言って快くサインをしてくださったのです、その時撮ったのがこのなんともいえない
素敵な笑顔です。

400.jpg
(photo by manmarukumi)

Dave Young の盤をもっと紹介したいのですが、そうしていると限が無いので
ここにディヴさんの事が一杯載っているページを貼り付けますので是非ご覧下さい。
沢山の試聴もできますので楽しいですよ。

今回は、大好きなベーシスト Dave Young をご紹介しました。
さて、貴方はどのようなディヴさんの演奏がお気に入りでしょうか?

http://www.tormusic.com/dyoung/dyoung.html

これらはオスカーとの共演盤です。
Oscar Peterson Live ! (1986) Pablo
Time After Time (1986) Pablo
Meets Oscar peterson (1986) Pablo
The Personal Touch (1980) Pablo
An Oscar Peterson Chritmas (?) Telarc
2009年09月23日 | Comments(20) | Trackback(0) | Bass
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