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2010-05

Tony Fruscella Brooklyn Jam 1952 - 2010.05.30 Sun

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( Mershmallow Classics 2001 )

トランペットの詩人と言われている Tony Fruscella にたどり着くまでに随分遠回りをしたように思います。しかしこの盤にお目にかかれたのは実は Gene DiNovi の音源を漁っていたからこそ Fruscella に出会えたのです。

ブルックリンにあったジーン・ディノヴィさんの家で録音されて以来、49年ぶりにして陽の目をみたという音源です。1952年の録音というからジーンさんは24歳という若さになります。これを聴きたくて手にした盤に偶然 Fruscella が入っていたというのが彼との出会いでした。

ジーンさんが録音したテープに収められたこの音源は長い間イギリスのケント州に埋もれていました。そしてマシュマロレコードの上不三雄氏の手によって息を吹き返したのです。古くてしかも自家製?なので音は飛んでいたりしてよい録音状態とは言えません、犬の鳴き声がバックグラウンドに聞こえていたり(これはなかなかヒューモラスです)、会話が入っていたり、しかしその頃の熱い雰囲気が実によく感じられます。

そして若者が集まってジャムっている様子が、50年代の熱気が肌で感じられるような気がします。クレディットをチェックすると ベースに Red Mitchell の名前もでてきます。

Gene は Red Mitchell と交友があり、Red の紹介で Fruscella に出会ったようです。Gene の話ではトニーはとてもハンサムでお洒落だったとライナー・ノーツにありましたが。なんだかヨーロッパの古い白黒映画に出て来てもよさそうな優男風、哀愁を帯びたルックスできっと Chet Baker と同様にもてたのではないかと想像されます。

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寂しげでちょっと世の中を冷めた目で見ているような閉じられた瞼、煙草の煙を漂わせている写真にはっとさせられます。(私は煙草は嫌いですが、写真で見る限りはサマになるんですよね、あのデクスター・ゴードンの有名な写真も煙があるから雰囲気があるのね、悔しいけど煙草の煙は写真のプロップには最高ですね。)

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Fruscella は14歳まで孤児院で育ったという不遇な人生を送ったそうです。それから18歳で軍隊に入り除隊後から本格的にトランペッターとして生活していたようです。私的な事はほとんど解りませんがとても孤独な人だったような印象をうけます。42歳という若さで亡くなってしまったので、あまり多くの録音を残していませんが、残されている音源の彼のトランペットから流れ出る音色は何か心を打つものがあります。

いったい何だろうと思うのですが、はっきり言って解りません。ただただ低めのキーでメロディーを吹いているのですが、それがとても哀愁を帯びていてなんとも言えなく落ち着いたプレーなのですね。

しかしこのようなマニアック盤をだしてマシュマロレコードさん、儲かるのかしらと人事ながら心配になりますが、だからこそ応援したくなってしまうのです。 ほんの一握りのファンの為に発表されるレア盤、万歳です!

Discography
Albums
Year Title Label / catalog # Notes
2008 Tony Fruscella Rhino/Wea UK Original release date 1955
2005 Tony's Blues Cool & Blue
2004 Pernod with Stan Getz Jazz Factory Spain
2004 Night at the Open Door Jazz Factory Spain Live
2001 Brooklyn Jam 1952 M&I Japan (マシュマロレコードから発売)

Year Title Label / catalog # Notes
1999 Tony Fruscella: The Complete Works Jazz Factory Spain Album listing: Studio Recordings (2 CDs); Live Recordings (2 CDs)

Year Title Label / catalog # Notes
2007 Atlantic Top 60: Jazz, Jive and Strut Atlantic Recording Corp./Rhino Track listing: "I'll Be Seeing You"
1983 Simple Isn't Easy Sunnyside Bonus Track: Featuring Tony Fruscella

この Atlantic 盤の一曲目 I'll Be Seeing You の始まりで、すこしチェットを思わせるようなフレーズですっかり私を虜にしました。優しい音色でリリカルなアプローチですね。他にも Stan Getz や Zoot Sims などとの共演盤もあるのでこれから少しづつ聴いていきたいと思っています。残っている音源が少ないのでどの共演盤も貴重なものだと思います。

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私はこの1955年の Atlantic 盤との二枚しか聴いたことがないので詳しい事は書けません、リサーチをしてもあまり多くの情報がありません。私生活ではヴォーカリストの Morgana King (当時彼女は17歳でした)と結婚してひとり娘がおりましたがドラッグで身を崩したこともあり9年後に離婚しています。

彼らが結婚している期間にチャーリー・パーカーの家族と日曜日の晩餐を頻繁にするほど交友を深めていたとモガーナの資料に載っていました。またレスター・ヤングも Fruscella の演奏を大変に気に入っていたそうです。モガーナはミュージシャンズ・シンガーと言われ重宝がられていたようです。確かに何でも歌える大きな器量をもった素晴らしいヴォーカリストだと思います。若い頃は貧困にあったそうですが(両親はイタリアのシシリー島からの移民でした)、しかし後年期ではTVショーまで持っていたというから彼女の実力は大したものでしょう。

さてステージの左端に写っているメンバー、まるで対になって頭に浮かんでくるのがこのテナー・サックス奏者の Allen Eager です。Tony Fruscella のこの盤を聴いてから Allen Eager のリラックスしたテナーのスタイルが射たく気に入ってしまいました。

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まだ Allen Eager の方が Fruscella よりも色々なリサーチで面白い話を見つける事ができるので、長く生きた分ファンも多いのではないかと思います。しかし残された音源は Fruscella 同様に少ないのが残念です。何故なら彼は長い間ミュージック・シーンから消えていたのですから。Eager は比較的裕福だったのでその後色々な挑戦をしています。面白いのではカーレーサーまでやっているので驚かされます。

しかし80年代に Eager が Chet Baker とヨーロッパでステージを供にしていた話しをネットで見つけた時はワクワクしました。1982年 6月19日にアムステルダムで 彼らの演奏が Radio Brodcast されていたのですね。それを聴いていたファンがいたわけです。

そして Eager と Chet が1984年 7月にアムステルダムで同じメンバーで11曲も録音を残しているという事もあるスイスから発信しているブログで知りました。Chet のファンがいたる所に散乱しているんですね。

それらのブログを発見した以前に、実は私はラッキーな事にある御仁にその1984年の未発表の音源を6曲聴かせて頂いていたのでした。なんという幸運でしょう。多分これがそのスイスのブログに記されていた11曲の中の6曲なのだとブログを読んだ後に気づきました。

このライブ録音には Eager の魅力的なテナーと Chet のクールなトラペットが、そしてJon Voogd のベースもかなりいい感じです、 Michel Graillier のピアノが気持ちよく一体となってこの Quintet は繊細なタペストリーの模様を織り成していました。まさか Eager と Chet が共演しているなどと想像もできませんでしたので、その時の喜びはもう大変な興奮に達してしまいました。

Chet の未発表の音源が限りなく何処かに散乱しているのであろうけど、一枚でも多くの音源がCD化されて私達ファンに届いて欲しいですね。


↓ Allen Eager の興味のある記事にでくわしました。お時間のある方はどうぞ。
http://www.ejazznews.com/modules.php?op=modload&name=News&file=article&sid=1345




Recorded: New York City, NY January 22, 1947
Personnel:
Allen Eager - Tenor Sax
Terry Gibbs - Vibraphone
Duke Jordon - Piano
Curley Russell - Bass
Max Roach - Drums


Allen Eager は ”Four Brothers” の一人でもあるそうです。 Al Cohn, Zoot Sims そして Herbie Steward の4人の中の一人だからもっと注目されてもいいのになぁ。という訳でここに Eager の盤を紹介しておきましょう。28年ほど前に450枚限定で発表されたLPの復刻盤です。発表された当時すぐに完売したという幻のLP盤です。

彼も残されている音源の少ないプレーヤーという事で放送録音が音源ということですが、1951-53年のバードランドの時代の雰囲気を味わうのも良いのではないでしょうか。このCD盤も 999 枚のリミテッド・エディションで再盤されています。もし何方かこの二人の情報をお持ちでしたら是非シェアーして下さいね。

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( Marshmallow Export MMEX-177-CD 2007)


<マシュマロレコードの上不様から Four Brothers についてのご指摘がありましたのでここに追記させていただきます、どうも有難うございました。>
Eagerが「4人兄弟の一人」は間違えです。「4人兄弟」がW.ハーマンのセカンド・ハードをさすのであればサックスセクションはGetz,Sims,Steward(すぐにCohnに替わる)そしてバリトンのCharoffです。ChetがアムステルダムのコンサートでEagerが「4人兄弟の一人」と紹介しているのは全くの間違えです。


↓ 興味のある面白そうな記事があったのでアップします。
from JazzWax

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