Jim Galloway & Ralph Fraser Live 6/26/2010 - 2010.06.28 Mon
この週末トロントのダウンタウンは G20 と G8 のサミットで道路は異常に混乱していました。多くのストリートは通行禁止になり、プロテスターの暴動でポリス・カーは三台も焼き討ちにあいひどい状態でしたが、それにも関わらずまん丸は何時もの一力ライヴに行ってきました。

( Photos by manmarukumi )
さてこの日のライヴはこのブログではお馴染みの Jim Galloway (s.sax) と Ralph Fraser (p) でした。ジャズ仲間さんの車に便乗させて頂いて運転をしなくて済みました、何時も感謝です。幾度も遠回りをよぎなくされましたが、交通量はこれを予期した人々がメイン・ロードを避けていたのか、選んだ道は思ったよりもマシな状態だったので助かりました。しかしポリスとサキュリティーの人員の凄い数に驚きました。
本当は28日に待ちにまった上原ひろみさんと Stanley Clarke のステージがダウンタウンの市役所前のステージであったのですが、この状態では行けるかどうか分からなかったのでティケットは最期まで購入保留でした。また今回もひろみちゃんを見逃してしまいました。ジャズ・フェスとサミットが重なるとは思いもよりませんでしたのでとても残念です。来年またきて欲しい。

Ralph Fraser Jim Galloway
左の写真のピアニストの Ralph Fraser さんの紹介はまだでしたね。デュオ・ライヴやジムさんのJim Galloway's Wee Big Band (17人編成)ではメンバーなのでもう何回も演奏を聴いているラルフさんは、なんと今年は85歳になられます。
1925年ノヴァ スコッシアの生まれで、1946年にトロントにある The Royal Conservatory of Music に学んだというからクラシカル畑の出身ですが、その後先生になるために故郷には帰らずに、そのままトロントでジャズ・ミューシャンとして生計をたてるようになります。写真5はその頃のラルフさんですね。またその頃 Moe Koffman などと交友を深め、トロントに留まらず Buffalo (NY)までジャム・セッションに出向いてニューヨークでは Stan Getz, Zoot Simms や Jerry Mulligan ともプレーしたそうです。
その頃から、オルガンやヴァィブラフォンなども演奏するようになり、その後の彼の人生に大きな影響をもたらします。Vic Centro Quintet では Vibes を演奏していたようです、残念な事に私はこのグループの事は知らないので詳しいことはわかりません。そして Massey Hall に来ていた Dizzy や Bird、Eddie Condon's Group などともThe Colonial Tavern で共にプレーしたそうです、この頃トロントにあったコロニアル・ターヴァンは本当に凄い名前が並んでいたんですね。しかも驚くほど安かったんです。この私でさえ70年の中期には Dizzy をたったの$3ドルで聴いたんですから。

しかしですね1970年代には彼はジャズではないオルガンをホッキー・アリーナで弾いていたのです。写真1の Maple Leaf Gardens のこの一枚、これはCBCのテレビで放送されていたホッキー・ナイト・イン・カナダというスポーツ番組で毎週ラルフは観衆の為にオルガンを弾いていたのですね。
ゲームの合間や、試合が白熱してきた時にオルガンでチェアー (Cheer) を入れるのです。これがなんと70年代の彼のミュージシャン生活の一部でした。丁度ジャズの低迷期でディスコが流行っていた時代だったと思います。ラルフはタダでホッキー・ゲームが観戦できたよと笑っておられたけど、心の内はどうだったでしょう。
70年の後半は私もカナダの国技であるホッキーにどっぷりハマッていました。この頃は凄い強い選手が沢山いてとても面白かったのですが、ある時期をおいてピタリとホッキーに興味を無くしてしまいました。何故だかよくわからないですけど、きっと好きな選手がリタイアーしたからかもしれません。そんな訳で私は知らず知らずのうちにラルフさんのオルガンを聴いていたわけですね。彼のファンファーレで勢いがつくのでした。
懐かしい映像を貼り付けてしまいました。22秒辺りに私のヒーローがチラッと見えます。
今回のライヴでアリーナのシーンで使っていたチェアー・フレーズを披露しなければ、事実を知らない観客はまさかあのオルガン奏者がここでジャズを弾いているとは思いもよらなかったでしょう。皆、びっくりして拍手を送っていました。7月で85歳になる今も現役、Jim Galloway's Wee Big Band のメンバーで活躍されています。
こちらは以前ご紹介しました ↓ ジムさんのページです。
http://nono54.blog88.fc2.com/blog-category-5.html

( いつものピンボケ写真 )
さて、今回のライヴは少しジムさんの体調がイマイチだった為か、思っていたよりもローキーのパフォーマンスでした。始めの一曲でそれが明確に感じとれたのでどうしたのだろう心配になりました。いつものあの艶がないのです。聴く者をまるく包んでくれるようなあのおおらかさと言うか。
一力に集まるファンはジムさんが大好きなので、皆でサポートという感じでもありました。でも一番のサポートはやはりパートナーのラルフさんがジムさんのバック・アップをかなりの迫力で勤めておられました。こんなに頑張っているラルフさんを見るのは初めてでした、凄い気合が入っているのです。
今回の曲目は:
1st.set
1.?
2.この2曲は古いスイングの曲で題名が分かりませんでした。
3.She's Funny That Way
4.Take Me Out To The Ball Game (この曲はホッキー・ゲームで使ってた)
5.?
6.Honeysackle Rose
2 nd.set
1.S’Wonderful
2.Embraceable You
3.Tenessee Waltz
4.Someone Like You
5.Memories of You
6.How High the Moon(これは私のリクエストでした、ジムさんありがと)
Bonus にもう2曲、これも古いスイングで題名を知りません。調子の良い時は全16-18 曲もサーヴィスしてしまうジムさんなのです。少しお話をしたらやはり患っておられたそうです。もう元気になったとは仰っていましたが無理をなさらないように早く完全に元気になられてまた皆に最高の演奏を聴かせて欲しいです。そんな訳で今回はラルフさんのステージでした。まるで85歳の青年のようなパフォーマンスでした!
ラルフさんのソロCDは2000年に Sound of Toronto Jazz Concerts というシリーズの一枚として出ています、75歳で始めてのピアノ・ソロ盤 ”Welcome To My Dreams” というタイトルで出ています、その中で御自分のコンポジションも何曲か披露されています。また Big Band の録音盤ではJim Galloway's Wee Big Band に参加しておられますのでそれでも聴けます。”Blue Reverie" Sackville SKCD2-20068 (2006)The Montreal Bistroでの録音。スゥイング・エラのビッグ・バンドの好きな方にはお薦めです。

↓ Jim Galloway's Wee Big Band の野外演奏。
http://www.youtube.com/watch?v=j9nsvGjJiG8

ジムさんのお気に入りのこのソプラノ・サックスはなんと1919年に
製造されたものだそうです。この色とても渋いなぁ、まるでジムさん
みたいね。
お次の 8月の一力ライヴには若い注目のトランペッターの予定、しかも
Neil Swaison(b) と Andrew Scott(g)の強靭、まちどうしい!

http://www.ichiriki.ca/

( Photos by manmarukumi )
さてこの日のライヴはこのブログではお馴染みの Jim Galloway (s.sax) と Ralph Fraser (p) でした。ジャズ仲間さんの車に便乗させて頂いて運転をしなくて済みました、何時も感謝です。幾度も遠回りをよぎなくされましたが、交通量はこれを予期した人々がメイン・ロードを避けていたのか、選んだ道は思ったよりもマシな状態だったので助かりました。しかしポリスとサキュリティーの人員の凄い数に驚きました。
本当は28日に待ちにまった上原ひろみさんと Stanley Clarke のステージがダウンタウンの市役所前のステージであったのですが、この状態では行けるかどうか分からなかったのでティケットは最期まで購入保留でした。また今回もひろみちゃんを見逃してしまいました。ジャズ・フェスとサミットが重なるとは思いもよりませんでしたのでとても残念です。来年またきて欲しい。


Ralph Fraser Jim Galloway
左の写真のピアニストの Ralph Fraser さんの紹介はまだでしたね。デュオ・ライヴやジムさんのJim Galloway's Wee Big Band (17人編成)ではメンバーなのでもう何回も演奏を聴いているラルフさんは、なんと今年は85歳になられます。
1925年ノヴァ スコッシアの生まれで、1946年にトロントにある The Royal Conservatory of Music に学んだというからクラシカル畑の出身ですが、その後先生になるために故郷には帰らずに、そのままトロントでジャズ・ミューシャンとして生計をたてるようになります。写真5はその頃のラルフさんですね。またその頃 Moe Koffman などと交友を深め、トロントに留まらず Buffalo (NY)までジャム・セッションに出向いてニューヨークでは Stan Getz, Zoot Simms や Jerry Mulligan ともプレーしたそうです。
その頃から、オルガンやヴァィブラフォンなども演奏するようになり、その後の彼の人生に大きな影響をもたらします。Vic Centro Quintet では Vibes を演奏していたようです、残念な事に私はこのグループの事は知らないので詳しいことはわかりません。そして Massey Hall に来ていた Dizzy や Bird、Eddie Condon's Group などともThe Colonial Tavern で共にプレーしたそうです、この頃トロントにあったコロニアル・ターヴァンは本当に凄い名前が並んでいたんですね。しかも驚くほど安かったんです。この私でさえ70年の中期には Dizzy をたったの$3ドルで聴いたんですから。

しかしですね1970年代には彼はジャズではないオルガンをホッキー・アリーナで弾いていたのです。写真1の Maple Leaf Gardens のこの一枚、これはCBCのテレビで放送されていたホッキー・ナイト・イン・カナダというスポーツ番組で毎週ラルフは観衆の為にオルガンを弾いていたのですね。
ゲームの合間や、試合が白熱してきた時にオルガンでチェアー (Cheer) を入れるのです。これがなんと70年代の彼のミュージシャン生活の一部でした。丁度ジャズの低迷期でディスコが流行っていた時代だったと思います。ラルフはタダでホッキー・ゲームが観戦できたよと笑っておられたけど、心の内はどうだったでしょう。
70年の後半は私もカナダの国技であるホッキーにどっぷりハマッていました。この頃は凄い強い選手が沢山いてとても面白かったのですが、ある時期をおいてピタリとホッキーに興味を無くしてしまいました。何故だかよくわからないですけど、きっと好きな選手がリタイアーしたからかもしれません。そんな訳で私は知らず知らずのうちにラルフさんのオルガンを聴いていたわけですね。彼のファンファーレで勢いがつくのでした。
懐かしい映像を貼り付けてしまいました。22秒辺りに私のヒーローがチラッと見えます。
今回のライヴでアリーナのシーンで使っていたチェアー・フレーズを披露しなければ、事実を知らない観客はまさかあのオルガン奏者がここでジャズを弾いているとは思いもよらなかったでしょう。皆、びっくりして拍手を送っていました。7月で85歳になる今も現役、Jim Galloway's Wee Big Band のメンバーで活躍されています。
こちらは以前ご紹介しました ↓ ジムさんのページです。
http://nono54.blog88.fc2.com/blog-category-5.html

( いつものピンボケ写真 )
さて、今回のライヴは少しジムさんの体調がイマイチだった為か、思っていたよりもローキーのパフォーマンスでした。始めの一曲でそれが明確に感じとれたのでどうしたのだろう心配になりました。いつものあの艶がないのです。聴く者をまるく包んでくれるようなあのおおらかさと言うか。
一力に集まるファンはジムさんが大好きなので、皆でサポートという感じでもありました。でも一番のサポートはやはりパートナーのラルフさんがジムさんのバック・アップをかなりの迫力で勤めておられました。こんなに頑張っているラルフさんを見るのは初めてでした、凄い気合が入っているのです。
今回の曲目は:
1st.set
1.?
2.この2曲は古いスイングの曲で題名が分かりませんでした。
3.She's Funny That Way
4.Take Me Out To The Ball Game (この曲はホッキー・ゲームで使ってた)
5.?
6.Honeysackle Rose
2 nd.set
1.S’Wonderful
2.Embraceable You
3.Tenessee Waltz
4.Someone Like You
5.Memories of You
6.How High the Moon(これは私のリクエストでした、ジムさんありがと)
Bonus にもう2曲、これも古いスイングで題名を知りません。調子の良い時は全16-18 曲もサーヴィスしてしまうジムさんなのです。少しお話をしたらやはり患っておられたそうです。もう元気になったとは仰っていましたが無理をなさらないように早く完全に元気になられてまた皆に最高の演奏を聴かせて欲しいです。そんな訳で今回はラルフさんのステージでした。まるで85歳の青年のようなパフォーマンスでした!
ラルフさんのソロCDは2000年に Sound of Toronto Jazz Concerts というシリーズの一枚として出ています、75歳で始めてのピアノ・ソロ盤 ”Welcome To My Dreams” というタイトルで出ています、その中で御自分のコンポジションも何曲か披露されています。また Big Band の録音盤ではJim Galloway's Wee Big Band に参加しておられますのでそれでも聴けます。”Blue Reverie" Sackville SKCD2-20068 (2006)The Montreal Bistroでの録音。スゥイング・エラのビッグ・バンドの好きな方にはお薦めです。

↓ Jim Galloway's Wee Big Band の野外演奏。
http://www.youtube.com/watch?v=j9nsvGjJiG8

ジムさんのお気に入りのこのソプラノ・サックスはなんと1919年に
製造されたものだそうです。この色とても渋いなぁ、まるでジムさん
みたいね。
お次の 8月の一力ライヴには若い注目のトランペッターの予定、しかも
Neil Swaison(b) と Andrew Scott(g)の強靭、まちどうしい!

http://www.ichiriki.ca/