Dave Young and Robi Botos 2/5/2011 - 2011.02.15 Tue
( photos by Mr.M and manmarukumi )
行ってまいりました、二月の「一力ライヴ」!待ちに待った今回のライヴはまん丸の憧れの君ベーシストの Dave Young とピアノの新星 Robi Botos の Duo ライヴでした。
今回のサプライズはなんとなんと故オスカー・ピーターソンさんの奥様の Mrs. Kelly Peterson ( REGAL RECORDINGS LIMITED の President and General Manager ) と娘さんの Celine さん、そしてオスカーのお孫さんのお嫁さんの三人を私達のお席にお迎えする事になりました。
前日にジャズ仲間の Mr. M氏から、「まん丸ちゃんの隣席にオスカーの奥さんをアレンジしたので沢山お話しなさい」という電話を頂いてもうびっくり。大好きな Oscar Peterson の事を一番よく知っておられる方という事でもう前日からそわそわ、普段はおっとりのまん丸は何を話そうかと少し緊張気味でしたが。
お会いしたケリーさんは、気さくな方で19歳になる娘さんとの会話を聞いていてあまりにティピカルな娘と母親の応対に私は「この状況はうちとまったく同じね、何処でも母娘は同じなのね」という一言で打ち解けてしまいました。その後はお互いに住んでいる市も同じという事で会話も弾み楽しいライヴをご一緒しました。
一力のライヴを重ねるごとにミュージシャンもリラックスして、ベースでおどける Robi Botos さん
ご存知であると思いますが Dave Young は Oscar Peterson Trio でベーシストとして活躍していた時期もありオスカーとは深い関わりがあります。そういう訳で今夜のライヴにはオスカーとの思い出の曲などを取り入れて熱い演奏を披露してくれました。Dave のページはここから!
Daveさんの口からも冗談がいくつも飛び出した楽しいライヴです、Robi の顔もほころんでますね。
さて今夜の 1st. set は:
1.It's You or No One Jule Styne and Sammy Cahn の「他の誰でもないあなたなの」と言う名曲ですね、軽快なオープニングです。
2.In a Sentimental Mood Duke Ellington を素敵なムードで仕上げています。ディヴさんのベースがメロディー・ラインを奏でています。巧みな Bow 使いで観客をぐいぐいと惹き付けます。
3.Will You Still Be Mine Matt Dennis の曲を軽快に、途中でどういう訳か Wedding Song など入れヒューモアーたっぷりなアレンジメントです。
4.Rock Island Rocket これはもうこのライヴのハイライトでした。Rock のリズムにピアノがベースがファンキーでグルヴィーなサウンドで思いっきり熱い演奏を披露してくれました。Dave がこんなに熱いエネルギーを発散しているのを始めてみました。Dave さんもう最高に乗っています。しかも Bow が素晴らしく唸ってます、吼えてます!70’は今でも健在、いい曲は何時まで経ってもグルヴィーですね。
5.There Is No Greater Love このアレンジメントは面白い、Robi Botos はハンガリー生まれのピアニストです。技術的だけでなく歌心を持った素晴らしいピアニストです。プレイフルでいつも彼を聴いていて新鮮さを失わない、そして緊張感も十分に保ち続けている人だと思います。Robi のページはここから!
さてここで休憩に入ります。どの曲も二人のソロがふんだんに盛り込まれていたので曲目は少ないですが、聴き応えのあるファースト・セットでした。
リラックスした一力の雰囲気を楽しまれているケリーさんとセリーンさん
ここでケリーさんとオスカーとの思い出話しなど伺う事ができました。ケリーさんはオスカーの日本公演に付き添ってなんと12回も日本を訪問されているのだそうです。初めての妊娠の際にも訪日したので、その時に食べた日本食できっと娘のセリーンはすでに日本食が好きになったのねと可笑しくお話されていましたが Oscar が残した曲には ”SUSHI” というタイトルもあるくらいですから日本食が大好きだったそうです。そして家でもなんと大好物の「すき焼き」をよく食べていらしたそうです。娘さんもケリーさんもお寿司も刺身的なものもまったく抵抗なく食べておられました。うちの子丸は生魚が苦手なのに、ほんとなんででしょうね。
今回の一力のお食事も気に入られた様子で、その中の一品であった焼き魚はもう素晴らしく柔らかくて味がまろやかでこんな風に調理された魚は食べたことが無いといっておられました。本当にこのお魚(銀鱈の西京焼き)は素晴らしい味で、こんな微妙な味(微かな味噌の味)が分かるなんてかなり日本食通だなあと思わずにはいられませんでした。生魚なんて野蛮と言われた30年前とは大違いですね。嬉しい事に今は日本食もしっかりと市民権を勝ち取ったようですね。
そしてこの「一力ライヴ」の雰囲気にとても魅せられたようです、ライヴに集まる皆さんがとてもリラックスして心からジャズを楽しみ、お食事だけでなくミュージシャンに敬意を払い音楽を聴く姿勢がミュージシャンにも伝わっているという事です。ケリーさんは「こんな環境でジャズを聴かせる場所があるなんて驚きだわ」と言っておられました。
以前にもジャズ・バーやレストランの事を書きましたが、とにかくジャズ・バーの煩いこと。ほとんど飲む事が主なのでジャズを聴いている人にはちょっと辛い環境かもしれません。特別なジャズのイヴェントはそれなりに静かですが、こうしてお食事と音楽がアレンジしてある場合はどうしても会話で煩くなりますが、一力はジャズを聴くというのがメインになっています。なのでお食事はライヴの始まる前と休憩にサァーヴされるようになりました。これも Mr.M氏とオーナーのリキさんのプロデュ-スで一流のジャズ・マンと旬な食材を使ったお食事という最高の Duo ですね。
ケリーさんから日本での話も沢山きかせていただきましたが、写真を撮ることが大好きだったオスカーさんは、訪日するとまず最初に行く場所が「ヨドバシカメラ」だったそうです。どの地方都市に行こうがまず関係者に聞くことがそこには「ヨドバシカメラ」があるかどうかだったそうです。とにかくオスカーの好きな色々なものがあってそこに行く事が楽しくて仕方がなかったと言っておられました。訪問した全ての都市の「ヨドバシカメラ」に行ったそうですから、なかなか聞けない楽しいお話しが出来た貴重な時間でした。
さて2nd. Set の始まりです。
1.Dave のオリジナルです。タイトルは分かりません。
2.Backyard Blues これはOscar Peterson の曲ですね。これはもう何回プレーしたかわかんないよと言いながら、途中に Why Don't You Do Right を挿入して、こういうふうにオスカーに何回言われたことかと冗談も飛ばしていました。ソロのパートで Dave が唸りだしました。稀にみる熱い場面でなんだか胸が熱くなってしまいました。指が舞う様に激しく動いています、それを見ているだけで圧倒されてしまいます。今夜の Daveさん最高!
3.前曲とは打って変わってこれはとても静かで美しい曲でした。タイトルは分かりませんが Scandinavia のフォーク・ソングらしいです。マイナーなキーで日本人の好みです。ゆっくり流れる旋律が哀愁を漂わせベースのソロが続きます、それに寄り添う静かなピアノです。
4.Just Friends これは僕らの事かねって、Robi の爽やかなアレンジで今回は先輩の Daveさんのステージに仕上がりました。ますます忙しくなっている Robi ですが、”Friday Night Jazz” という新譜を持参でやってきました。長い間まっていた新譜だったので即購入です。Bebop Taste でなかなか良い感じ!
5.Duke Ellington で締めくくりです。
今夜もまた素敵な時間があっと言う間に過ぎていってしまいました。楽しいサプライズもありました。美味しいお食事にも舌鼓を打ちました。楽しいジャズ仲間さんたちとの会話もたのしみました。寒い冬の夜をこんなに熱い夜にさせてしまうジャズ、ありがとう!
楽しみにしていた Dave Young の新譜も今夜はゲット!
The Dave Young Quartet / Mean What You Say (2009)
Mean What You Say
Will You Still Be Mine?
Bohemia After Dark
Every Time We Say Goodbye
Celia
Sandu ( D. Young)
Seven Minds
Morning Star
Minor 101 ( D. Young)
Dream Dancing
Last Time I Saw Her ( D. Young)
Kevin Turcotte (Trumpet)
Robi Botos (Piano)
Frank Botos (Drums)
Dave Young (Bass)
Ichiriki の HP はここから!