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2011-11

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Sayonara & Miyoshi Umeki - 2011.11.23 Wed

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( Warner Brothers Technicolor Movie "Sayonara" 1957 Poster )

久しぶりの更新です。今日の御題は K's Library から、私がまだ若かりし頃英語のクラスに通っていた昔々に読んだこの一冊から紐解いていかねばなりません。 タイトルは "SAYONARA" (さよなら) James A. Michener 著者によるこの物語は後に映画化され一人の日本女性が始めてハリウッドでアカデミー助演女優賞を受賞しました。その人の名を 「ナンシー梅木」または「ミヨシ梅木」 (梅木美代志) といいます。この方の事は少し後でお話しすることにして話題を進めていきましょう。

さて柄に似合わず何故こんな恋愛モノなど読んだかと申しますと、日常生活によく使われるフレーズ(会話)が恋愛モノには多く含まれていてしかも簡単なストーリーですぐに読み終えるといる利点があると現地の英語の先生が薦めてくれたからでした。それと暇があればテレビを見なさいと言うアドヴァイスもありました。これも難しい番組でなく昼間に放映されているようなメロドラマが一番手っ取り早いという事でした。今思うとなるほどと思います、こういうドラマは生活に密着している場面が多いからですね。

その頃、ハーロクィン・ロマンス( Harlequin Romance ) という単行本が女性の間で大人気のシリーズでした。所謂ソープ・オペラ( メロドラマ )という類の恋愛小説なのですが、本のカヴァーがあまりにも刺激的といいましょうか、きわどい美男美女の抱擁の場面などで私はどうしても興味が沸かなくて何か違うタイプの本(文学的なモノ)が読みたいと思って手にしたのが James A. Michener による 「さよなら」 でした。これは著者があまりに有名な事と私の持っていた作者のイメージとはあまりにもかけ離れていた恋愛モノだったので余計に興味が沸いたといいましょうか。きっと日本名のタイトルと大人し目のカヴァーにも影響されたかもしれませんね。

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( 色々なヴァージョンの表紙がありますが、まん丸が読んだ単行本は右端、左端はオリジナルのハードカヴァー )

しかも内容は、なんとなく私にとって地域的要素も文化的な指向もついていける内容で違和感なく読むことが出来た一冊でした。先生の仰ったように速く読めたし楽しく無理なくという感じだったように記憶しています。それに初めに挑戦するには短いというのも重要な事かもしれません。

何時ものごとくあるトピックからジャズに否応無しに繋げてしまうというのがまん丸の流儀なのですが、もちろん今回もこの一冊の本からですね。1957年にこの作品は映画化されました。監督は Joshua Logan ( South Pacific, Camelot, とかマリリン・モンロー主演の Bus Stop などが作品 ) 出演者も Marlon Brando, Red Buttons, James Garner, Patricia Owens などの顔ぶれの中に無名の日本人女優が突然彗星のごとく現れて Red Buttons と共にオスカーまで取ってしまったのですから驚きだったでしょう。

しかし主役のマーロン・ブランドはこの映画ではもうひとつピンとこないと言うか、こういうタイプのパイロットにしてはちょっと軟派過ぎるんじゃないって感じてしまうまん丸です。多分ブランドの喋り方がダラダラとしていて軍人らしさに欠けるというか、まあそれが彼のスタイルだけどそういいう所が気になったりするのでした。面白い事に初めのチョイスは Rock Hudson だったのですが、彼がオファーを受けなかった為にブランドに役が回ってきたそうです。どちらもなんだかエース・パイロットのイメージが沸いてこないのはどうしてでしょうね。

この映画を実際に見たのはもっと後になるのですが、マーロン・ブランドが好きだとかではなく単に本で読んだから映画はどうなっているのかという好奇心からでした。しかも昔の日本がふんだんに観賞出来るというのがとても嬉しかったというか。その頃トロントでは小劇場で日本の古い映画が頻繁に上映された時期でもありました。よく友人と黒澤明や、溝口健二、小津安二郎などの映画を見つけては通っていました。黒澤明の 「生きる」 を見てカナダ人の友人と最後に大泣きした時は良い映画には国境はないなって実感した次第です。あっ、また横道にそれそうです話を戻さなきゃ。

Umeki Sayonara miyoshi364.jpg miyoshired364.jpg
( Scene from Warner Brothers move "Sayonara" 1957 )

物語の内容は、朝鮮戦争で活躍したエース・パイロットが当時反米感情が強かった日本の土地で困難を乗り越えて愛を貫くというストーリーなのですが。しかしその状況下彼の部下は不幸な事に解決策が見つからず愛する異国の女性と共に命を絶つという悲惨な結果に。映画のロケーションは関西にある神戸港や、奈良のあやめ池遊園地、現在大阪国際空港として使われている、当時の大阪の伊丹エアーベースなどを見ることが出来とても興味深いです。そしてブランドが恋に落ちた日本女性「はなおぎ」がなんとなく宝塚歌劇団をイメージした歌劇団の大スターというセッティングなんですね。ステージや衣装、袴姿に寮生活環境からそれが想像できるわけです。そして Miiko Taka (高美以子) の歌う 「さよなら」 Irving Berlin の曲に Edward S. Haworth の詩がなんとも哀愁をさそいます。この方とても美人で今時のふっくらリップスがとてもセクシィーです、昔の女優さんは本当に綺麗ですね。

そしてやはりこの映画はハリウッド映画です、 Ricardo Montalban が歌舞伎役者に化けています。この俳優さんはいつも変なアクセントのある役をこなしていますね。今回も変な日本語というか外国人がイメージしている日本人的な会話で日本人になりきっているのが可笑しいというか、どうして日本人の役者を起用しないのって言いたくなります。当時日系の James Shigeta とか素敵な役者さんがいたのに 「なんでやねん」って思わずにはいられないのだけど、まあ仕方がないですね。( 冒頭の黒文字 "SAYONARA" をクリックすると You-tube で変な日本人の映像もご覧になれます )

さて、この Red Buttons の演ずる中尉ケリーの恋人役が今回のお話のスター 「ナンシー梅木」 こと梅木美代志です。この映画の中では歌っていませんが実は彼女はジャズ・シィンガーなのです。この容姿でこのお喋りの仕方でと惑わされるかもしれませんが。若くから日本にあった米軍キャンプ ( U.S. Army Jazz Band ) やナイトクラブで ( 角田孝 Sextette と共に ) 活躍したそうです。1955年に渡米しますがこの映画が1957年に製作されているのですごい抜擢というか彼女の努力の甲斐もあったことでしょう。

miyoshiscover1-500.jpg

MIYOSHI
Singing Star Of Rodgers And Hammerstein's "Flower Drum song"

Side One
Sayonara ( from "SAYONARA )
If I Give My Heart To You
China Night ( Shina No Yoru )
I'm In The Mood For Love
How Deep Is The Ocean ( How High Is The Sky )

Side Two
Slowly Go Out Of Your Mind
Teach Me Tonight
Hanna Ko San
Can't Help Lovin' Dat Man
The Little Lost Dog

WING MGW 12148

1956年にはアメリカの CBS-TV タレント・スカウト・ショー で観衆の支持を得て一躍トップに躍り出た梅木でした。彼女のチャーミングなお喋りやルックスからは想像できない大人っぽいアルトな歌声や歌唱力が認められたのでしょう。その時の歌が "How Deep Is The Ocean" です。1957年には映画出演、 58年に The Best Supporting Actress (その時の映像) でオスカー。1958年にはブロードウェイ・ミュージカルにも出演しておりトニー最優秀ミュージカル女優賞にもノミネートされ、1961年にはステージから映画化された " Flower Drum Song" でも準主役を張っているので短期間に想像し難い凄い活躍をされたと思います。

この時期にはテレビの出演も多々あり、You-tube でその様子を見ることが出来るのが嬉しいです。その間彼女が残した米国でのジャズ・ヴォーカル盤も何枚かありますが、なかなか見つける事ができません。ゆいつ探し出したのがこの LP盤 "MIYOSHI" です。テレビでのお喋りとは違った落ち着いた歌声で、やんわりしたフレーズの付け方も素敵だし一つ一つの言葉を丁寧に綺麗に発音しているのが好感度が高いです。

きっと彼女は本当に会話をする時は流暢な綺麗な英語を話されるのではないかと想像できます。テレビでコミカルなお喋りしているのは彼女の演技の一部なのではないかと思えます。彼女の活き活きとした表情や目の輝きがチャーミングでなんとも言えませんね。

tvshowmiyoshi200.jpg

さてまん丸が 「ナンシー梅木」 と出合ったのは彼女がジャズ・シィンガーだというのを知らずに見ていたテレビで再放送されていたこの番組 "The Courtship of Eddie's Father" とうい1969-1972年の3年間放映されていた Sitcom (ホームコメディー)でした。彼女は日本人の家政婦さんという役で日本の古いタイプのエプロンをいつもつけているスタイルが定番。 そしてシングル・ファーザー(妻を亡くす)の家庭で男の子の世話をしているちょっと不思議な家政婦さんでした。少しお茶目で子供やお父さんに与えるアドヴァイスがなんとなくカンフー・パンダのような人生を知り尽くした禅マスターのような具合なのです。それがまた滑稽というかそういうコメディーだったのですが、後に映画 「さよなら」 を見て彼女がこのコメディー以前にシリアスなアクターだという事を知り、その後彼女がシリアスなアクターの以前に素敵なジャズ・シィンガーだという事を発見してなんと驚いたことか!まん丸は彼女の足跡を逆に辿っていったわけですね。そして彼女は、このシリーズの後にショービジネスから引退されたようです。

とにかく今はジャズ・シンガーとしてのナンシー梅木が一番好きな存在ですが、残念なことに2007年に彼女は癌の為に78歳で亡くなっておられます。最期の場所は Missouri 州の Ozark という土地なのですが、私には北海道の小樽で生まれた梅木美代志がミズーリ州の医療保養施設でどんな想いを持って最期を迎えられたのか彼女の自伝が出るとは思えませんが、どんな人生を送ったのか覗いてみたいという思いに駆られました。

梅木美代志の LP盤をお持ちの方も多くおられると思います。1955年以前の彼女が日本でジャズ・シィンガーとして活躍されていた時代の事をほとんど知りませんのでまた情報があれば教えていただければ嬉しです。

最後に MIYOSHI の "How Deep Is The Ocean" をお聴きくださいな。


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↓ Gesele MacKenzie Show でナンシー梅木が "How Deep Is The Ocean" を歌っています。
Miyoshi Umeki on American TV show 1958

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