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2012-02

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Ravi Coltrane Quintet and Christine Jensen Quartet featuring Ingrid Jensen 2/4/2012 - 2012.02.21 Tue

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( photos by manmarukumi )

二月のライヴは、ひっそりと闇夜に浮かぶガラスの建物 The Royal Conservatory の Koerner Hall からでした。去年から買っていたティケットだったのですが、残念な事に今月の 「一力ディナー・ジャズ」 とまた日にちが重なってしまいました。何時も楽しみにしている一力のライヴなのですが、しかしですね今回はもう絶対に見逃せない Koerner Hall でのライヴは、"Ravi Coltrane Quintet and Christine Jensen Quartet featuring Ingrid Jensen" という顔ぶれだったのでどうしてもはずせませんでした。

しかも Ravi Coltrane Quintet には以外なピアニストの登場にかなり興奮してしまいました。このお話しは後ほど、まずはオープニング・ステージに現れたのは Christine Jensen Quartet のメンバーと Ingrid Jensen です。この Jensen Sisters の二人はカナダのジャズ界ではとても有名な姉妹ですが、Ingrid Jensen は Wayne Shorter, Kenny Wheeler, Maria Schneider Orchestra や Geoffrey Keezer などのアソシエーションもありカナダよりもニューヨークをベースとしたバンドでの活躍の方が活発かもしれません。確.かなテクニックを持った素晴らしいコンテンポラリー・ジャズ・トランペッターです。

そしてお姉さんの Christine Jensen はモントリールをベースとしており Saxophonist, Composer としても優秀であり20人編成の Jazz Orchestra のバンド・リーダーとしても活躍しています。2011年に Justin-Time Records から制作された "Treelines - The Christine Jensen Jazz Orchestra featuring Ingrid Jsensen" はカナダのグラミー賞にあたるジュノー賞 (Juno Award )の Comtemporary Jazz Album of the Year を受賞しました。このアルバムはスケールの大きい風景を見ているような大らかさと清清しさ、そして大小の物語が盤から溢れ出ています。その物語をこぼれ落ちないようにキャッチするのは貴方のアンテナ次第って感じでしょうか。オーケストラのメンバーも熟練されたミュージシャンがそろっていますね。なかなか素敵なアルバムです。

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そて今夜は "Christine Jensen Quartet" の Koerner Hall でのデビューなのです。The Royal Conservatory ではジャズのコンサートは頻繁にはありません、ジャズ・フェスティヴァルとか特別な企画以外はほとんどクラシカルのコンサートやワールド・ワイドな音楽がメインなので、ジャズのコンサートがある時は見逃せません、だってここに登場するジャズ・ミュージシャン達はビッグ・ネームばかりですから。大きなホールではありませんがこのホールでデビュー出来る事はアーティストとしての誇りと言っても過言ではないでしょう。メンバーは Jon Wilkan 以外は全員カナダ人ですね。

Christine Jensen Quartet のメンバーと Ingrid Jensen:
Christine Jensen (alto & soprano sax)
Ingrid Jensen (tp
David Restivo (p)
Fraser Hollins (b)
Jon Wilkan (ds)

jensen sisters 500
Ingrid Jensen's Homepage and Christine Jensen's Homepage ← just click here.

1曲目は、オリジナルです。David Restivo のピアノのイントロから Ingrid のトランペットへその確かなコントロールは息を呑みます。この不思議な腕使い、右腕が柔らかに上下して宙に浮いているような、時には羽ばたいているような錯覚にも陥りそうな腕の動き。指がヴァルヴ (Valve) に舞い落ちるというような表現でしか説明できません。闇夜にオーロラのカーテンが音も無く落ちてくるような感じなのです、後にも先にもこんな腕や指の動きを見た事がありません。

2曲目は、私の好きな "I Love You Poggy" です。なんてエクサイティングなアレンジメントでしょう。Christine のソプラノ・サックスのスローなイントロ、徐々にアップテンポに変化していきます。とても感情的な展開で聴く人を魅了してしまいます。そこに Ingrid のミュートのトランペットで長いインプロヴァイゼーションが続きます。Restivo のピアノが素敵な事、このピアニストを何年か前に一力で迎えた事がありましたが、あの時とは印象がまったく違い Comtemporary Jazz Pianist なんだと再確認でした。しかも少しスリムになって活き活きとした演奏です。彼の中できっと何か変化があったのだろうと想像できました。やはりバンドの構成にも違いがあるのでデュオ・ライヴとはスケールの違いが出てくるのは仕方ないでしょう。この曲が唯一のスタンダード・ナンバーで後は全てオリジナル曲でした。

3曲目は、Christine のパートナーである Joel Miller (ts, as, flute and clarinet) の作品です。この Quintet に彼は参加していませんが彼女のビッグ・バンドのメンバーです。彼女の2000年に制作された最初のCDにも彼が参加しています、大学生の頃からの付き合いというから長いパートナーシップで築き上げられた信頼と彼の作る音楽に対する彼女の愛情を感じます。彼女はまたミュージシャンだけでなく母親でもあるのですね、ついついお喋りではバックステージで子供達がはしゃぎ回って困ると母親の顔もチラリ。二つの顔をこなしている事も素晴らしいではありませんか。

4曲目は、Christine のコンポジション "Castle Mountain" です。パワフルなドラムのソロをフィーチャーした曲でした。リズム・セクションも無駄のない洗練されたパフォーマンスで私を楽しませてくれました。この二人を女性だと甘く見てはいけません、男性に負けないガッツとパワーとそして繊細さもそなえた素晴らしいアーティスト達です、本当に聴き応えのある Quintet でした。最近では Scandinavian Quartet Tour と題して Sweden や Denmark などのミュージシャンと共にヨーロッパでコラボレーション・ツアーも行って頼もしい限りです。益々の活躍を期待したい Jensen 姉妹です。

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さて休憩を挟んで次に登場したのが、待ちに待った "Ravi Coltrane Quintet" です。もちろん皆さんもご存知のとうり John Coltrane と Alice Coltrane の御子息でありますね。名前の由来はインド人のシター奏者の Ravi Shankar から名づけられたそうです。1991年に Elvin Jones (ds) のバンドに雇われたのが最初のスタートという事でそれ以来40枚以上の盤に参加している Ravi Coltrane  ( ←こんな演奏をする)ですが、私は未だに彼のリーダー・アルバムも聴いた事がありません。You-tube などでは少し聞きかじっていましたが CDを聴いてしまう前にステージで生の音を聴く事が出来て本当にラッキーでした。現在ブルー・ノートから彼のファースト・アルバムが制作されているそうですからそれを楽しみに待つことにしましょう。

さて今夜の Ravi Coltrane Quintet のメンバーは:
Ravi Coltrane (ts)
Ralph Alessi (tp)
David Virelles (p)
Joe Sanders (b)
Jonathan Blake (ds)
 
そして今夜の Quintet のピアニストがなんとキューバ出身の David Virelles だったのです。このピアニストはマシュマロレコードさんから2008年に "OBLIVION" というタイトルの盤が発売されており、それ以来私の中では気になるアーティストの一人なのでした。

david virelles 250 david virelles bc 250
OBLIVION David Virelles Trio

1. Tempus (B.Powell)
2. The Fruit (B.Powell)
3. Longina (M.Corona)
4. Hallucinations (B.Powell)
5. Instropection (T.Monk)
6. Oblivion (B.Powell_
7. Novia Mia (J.Mendez)
8. La Mesha (K.Dorham)
9. Off Minor (T.Monk)
10. From This Moment On (C.Porter)

David Virelles (p), Devon Henderson (b), Francisco Mela (ds)
Recorded at Canterbury Studio, Toronto, Canada Marshmallow Records 2009

2001年に17歳でカナダに移住 Cubann music に傾倒しているサックス奏者の Jane Bunnett とのアソシエーションにより同年に彼女の "Alma De Santiago" という盤に登場しています。(個人的には、この盤ではまったく彼の演奏に聴き入るという感じではなかったのですが、キューバン・ミュージック自体に興味がもてなかったからかも知れません)トロントではまだ無名のピアニストでしたがそれ以後 Jane Bunnett の盤に多く参加しています。トロントの Humber College のジャズ科で学び、 後に Barry Harris、ニューヨークで Henry Threadgill に作曲を学んだそうです。

モントリオールのジャズ・フェスティヴァルで Grand Prix de Jazz award、 同年に National Jazz Awards as Best Latin Jazz artist に推薦され、CBC Galaxy Raising Star Award を受賞。 2003年にはオスカー・ピーターソン・プライズの始めての受信者になりました。2007年には、彼自身の Quintet が "Motion" というアルバムを出していますがこれはまだ未聴です。15歳でキューバのジャズコンテストで優勝したという実績から見るとこれらの受賞も彼の才能の成すところなのでしょう。

その彼が突然 Coltrane のグループに名前を連ねているのでもう興奮してしまったわけです。現在はニューヨークをベースとして活躍しているらしいですが、Ravi は彼をトロントからと紹介していました。このピアニストをいち早くマシュマロで録音された上不様は流石に凄いなぁと思った次第です。

私がこの盤を気に入ったのは、これらの選曲がとても現代的で軽いアプローチというか古さを感じさせない新鮮さを感じたからです。そしてトリオがとても自然体で聴き手を疲れさせない爽やかさを持っているから。三人のバランスがめちゃええやんって感じなのですね、聴けば聴き込むほど好きになっていきます。

しかし上不様は日本では有名ではないのでCDは売れないと仰っていたのを思い出しました。僕はいいと思うのだけれどと・・・Virelles さんはこれからが楽しみな Raising Star ですね! 

David Virelles's Myspace from here.

それと Ralph Alessi の素晴らしいトランペット! に参りました。淡々とした静寂の中にも熱い息吹を感じます。コントロールされた感情の表現が素晴らしいとしかいいようがないでした。Ravi との相性も抜群によく動と静の両極端にいる二人という感じがしました。それが不思議と強いマグネットで二人を結びつけているような印象を受けました。

ドラムの Jonathan Blake は大きな身体を揺さぶりながらの熱演、一曲目の幻想的な曲ではマレットを頻繁に使って曲の持ち味をうんと広げていたような気がします。外見に似合わない繊細なパフォーマンスで好感度が良いドラムスでした。ドラムに疎いまん丸ですが、この方のドラムは控え目で感度がよいなぁと思いました。しかし良く聴いてみるとこの曲は、I'm Old Fashioned じゃなかったかと、アレンジメントがあまりにも凝っていたので最後まで分からなかった、この曲が幻想的な曲ってどういう事だ!(汗)

二曲目は、Alessi の作曲 "Cobbs Hill" でした。三曲目は、Ravi の作品それぞれのソロ・パートを聴くのは本当に楽しい、特に初めてのアーティストはそのパフォーマンスがそのまま印象に残るわけでこれってやはり勝負の世界だ!なんて考えていた自分が可笑しいでした。今回本当に気の毒だったのはベースの Joe Sanders でした。始めからマイクロフォンのトラブルで彼はとてもいらだっていました。ベースが近づくたびに大きなエコーが反射して途中でテクニシャンが何やらごちゃごちゃしていましたが、最後までステージの反対側にあるコントローラーに指示していたのがなんだか可哀そうな結果でした。ベーシストにしては小さな方でしたが、エネルギッシュな力強い演奏をされる方でした。

4曲目は、Monk の曲ですがタイトルが思い出せません。最後の5曲目は Nothing Like You というフレーズが入っている曲ですが、最近本当になさけないけど曲のタイトルが出てこないのです。最近というよりかなり以前からかも、脳の老化は確実に進んでいるんだと嫌でも思い知らされるライヴの幕閉めなのでした。

ingridbaby250.jpg
(Ingrid Jensen and her baby boy)

今夜のライヴは本当に良かった、一粒で300メートルどころか500メートルくらい美味しいキャンディーのようなライヴでした。Ravi Clotrane はかっこよかった!サックスと身体が一体となって動いているその躍動感が音色に乗ってまん丸に届くたびにこれが Coltrane の DNAや!と直撃を受けるのでした。

Ingrid Jensen の可愛い赤ちゃんにもお目にかかりました。1966年生まれの彼女も去年お母さんになりました。ブログに写真を載せる許可も頂いたのでピンボケだけど見てくださいな。

誰かさんとの約束も達成でき、ひとまず2月はブログが更新できました。一件落着


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トロントの夜は静かに深け行くのであった、今夜も満足のまん丸です。
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