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2015-02

For the cold weather. - 2015.02.16 Mon

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( photos by manmarukumi 2015)

今週は、この冬一番の寒波に見舞われています。なんと体感温度がマイナス30-40度という恐ろしい激寒なのです。20年ぶりの最低気温を記録し、現在までにトロント周辺の水道管の破裂がなんと13件も、道路や周辺の民家にもかなりの被害をもたらしました。この20年間は温暖化で比較的暖かい冬に慣れてしまった私達ですが、昔は本当にマイナス30度とか、ざらにあったのですね。私が経験した一番寒かった日は、マイナス46度(風速含めて)という極限的な寒さでした。あれから思うと本当に近年の冬は過ごしやすかったのだと再確認です。

去年の暮に購入したブーツです、雪道でも滑らないようにかなりのグリップ感がある靴底、もうファッション性なんてまったく無視の実用的なモノですが、この冬に活躍してくれているので大助かりです。しかし長く履いていると疲れるのが難点。

さてそんな寒い日を暖かくしてくれる、サックスを今週は聴き続けています。その人の名は、Spike Robinson(1930-2001)です。アメリカ生まれのテナー・サックス奏者です。私は初期の彼の録音を聴いた事がありません、全て1980年代以降のものです。その音色はとてもメローで、優しく暖かいのです。特にバラードは、ばあ様に取っては琴線をなでるというか、色々なテナーを実際に聴いてもこんなに優しさのある音色を聴いたことが無いなあと思います。むせび泣きのテナーや、男っぽいテナーや、ドライなテナー、Spike の暖かい生の音が聴きたかったな。残念な事に彼は71歳という若さでお亡くなりになっていますが、音源はまだまだあるようなので今後も続けて探検していきたいと思うテナー・マンです。

今日ここに挙げたのは、持ち盤を好きな順に並べてみました。

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Spike Robinson / A Real Corker (Capri 1991)

1. This Love of Mine
2. That Old Devil Called Love
3. It Seems To Me I've Heard That Song Before
4. I Remember You
5. Under A Blanket of Blue
6. Fools Rush In
7. The Nearness of You
8. I Don't Want To Walk Without You
9. I'm Just Breezin' Along With The Breeze

Spike Robinson (ts)
Louis Stewart (g)
Red Mitchell (b)
Martin Drew (ds)

この盤のメンバーに、ベースの Red Michell が参加しているではありませんか、いや~ええわぁの響き、Louis Stewart のギターも素敵です。全体的にとても満足できる盤、ジャケットの Spike が渋い!

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Spike Robinson In Town with Elaine Delmar (HEP 1986)

1. Too Close For Comfort
2. You've Changed
3. Just One Of Those Things
4. In A Sentimental Mood
5. 'S Wonderful
6. Get Out of Town
7. Little Girl Blue
8. Everything I Love
9. Young and Foolish
10. Will You Still Be Mine

Spike Robinson (ts)
Len Skeat (double bass)
Brian Lemon (p)
Allan Ganley (ds)
Elaie Delmar (vo)

未知のヴォーカルが入っているのは苦手、と始めに思って期待しなかったのが、良かったのか、箱を開けてみるとキラキラ光る宝石が入っていた。少しドライで甘くない声質がばあ様好み、選曲も馴染み深いものばかり、In a Sentimental Mood は最高に良かった。リズム・セクションもばっちり決まっており心地よいね。

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Spike Robinson - The CTS Session (HEP 1998)

Spike Robinson (ts), John Williams (p), Bill Crow (b), Louis Stewart (g), Peter Cater (ds)

この盤にも、ギタリストの Louis Stewart がいい感じで参加 していますね。そして跳ねるような楽しい John Williams のピアノが耳をくすぐります。そしてベースの Bill Crow、ジャズの裏話、秘話を綴った 〝Jazz Anecdotes" の著者でもありますね。この御本は大変に興味深いでした。この盤も甲乙つけがたい良い盤だと思います。この寒さを和らげてくれた一品です。

cover (18)
Scott Hamilton/Ken Peplowski/Spike Robinson
Groovin' High (concord jazz 1991)


Scott Hamilton (ts), Ken Peplowski (ts), Spike Robinson (ts), Howard Alden (g), Gerry Wiggins (p), Dave Stoe (b), Jake Hanna (ds)

ばあ様の耳では、いったい誰が今演奏しているかなんて判りません。ただ三人が楽しく演奏している瞬間を私も一緒に楽しむという事でしょうか。ビーバップも楽しいですが、素敵なバラードも上手く配置されていて飽きません。なんたってこの御三方だもの。真に楽しい盤であります、Spike の笑顔がなんとも言えませんね。

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Welcome Back John Williams (marshmallow 1994)

John Williams (p), Spike Robinson (ts), Jeff Grubbs (b), Frank Isola (ds)

この盤は、Spike のリーダー盤ではありませんが、数少ない持ち盤なので入れておきました。ピアノ・プレーヤーの John Williams の演奏がなんとも言えない。サックス・ソロのバックで奏でられている時でさえ、その繊細かつダイナミックな気配りの演奏は他のパートを持ち上げて、素敵に仕上げられているように思います。上にご紹介している The CTS Session にも彼のピアノが参加しています。このアルバム実は、なんとピアニストの40年ぶりの貴重な録音なのです、50年代に Zoot Sims, Stan Getz, Bob Brookmayer, Cannonball, Jimmy Cleaveland, などの面々と演奏しているにもかかわらず、幻の存在になっていたという御方なのでした。そこに Marshmallow Records の上不氏が登場、40年間の沈黙を破りこの盤の現実化にいたりました。このような少数派しか興味を示されないような貴重な盤を制作される Marshmallow Records に乾杯です。その録音に Spike が参加しているというのが嬉しいですね。

さっ、やっと書き上げたと思えばもう次の日になっています。まだまだ寒い日々が続きますね。皆様もお風邪など召されませんように、暖かくしてお過ごし下さいな。

貴方にとって暖かく包んでくれる一枚とは、なんでしょな?


追記: あまりにジャケットの印象が薄かったので忘れていた一枚を思い出しました。なんと Gene DiNovi(p)と共演している HEP Record盤です。Geneさんのナンバー "Laura" や "Theme from The Bad and The Beautiful" などが選曲されていて嬉しい一枚。あまり取り上げられない珍しい曲、Fred Astaire が歌う "He loves, She Loves" が選曲されているのが嬉しい。

Gene DiNovi Meets Spike Robinson/At The Stables 1997
Spike Robinson (ts)
Gene DiNovi (p)
Leon Clayton (b)
Boby Worth (ds)
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