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Terri Lyne Carrington's Mosaic Project 4/26/2014 - 2014.06.18 Wed

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Terri Lyne Carrington's Mosaic Project

Carmen Lundy (vocals)
Nona Hendryx (vocals)
Ingrid Jensen (trumpet)
Tia Fuller (saxophone)
Helen Sung (piano)
Tamir Shmerling (bass)
Terri Lyne Carrington (drums)

今日のトピックは、全員女性 (All-female all-star cast) の奏者で企画されたプロジェクト Terri Lyne Carrington's Mosaaic Project をリポートします。このプロジェクトには、現在バリバリに活躍している女性ジャズ・ミュージシャンが参加しており、その時々によって集まるメンバーが変わります。アンサンブルを仕切っているのが、ドラマー、コンポーザー、プロデューサーと多面に亘って活躍している Terri Lyne Carrington です。 Dianne Reeves, Dee Dee Bridgewater, Cassandra Wilson, Nona Hendryx, Patrice Rushen, Sheila E, Geri Allen, Tineke Postma, Ingrid Jensen, Gretchen Parlato, Teena Marie, Esperanza spalding, などなど名前を挙げると凄い顔ぶれですね。そんな分けでこのコンサートをとても楽しみにしていました。Carrrington を知ったのはかなり以前ですが、興味を持ち出したのは Wayne Shorter の2003年の久方ぶりの盤 "Alegria" に彼女の名前がクレディットされていた事でした。力強いプレーに新しい息吹も感じられたというか、この時点において既に彼女は中堅といったところだったのかもしれません。その数年後にカナダ盤の "One Take Volume Two" に私の好きなピアニストの一人である、Robi Botos, そしてサックス奏者の Phil Dwyer とアルバムを出していたので、コンサヴァトリーのスケジュール表が送られてきた時は、これはもう絶対に聴きたいとティケットをポチしてしまっているのでした。(笑)

wayneshorteralegria210.jpg onetaketerrilyne210.jpg

このモザイク・プロジェクトは世界中から集まった、才能を持った素晴らしい女性アーティストの集まりであり、彼女達の表現法、人格、生活全てにおいて多様多種であるけど、その特殊な異文化でさえクロスしてこの一つのプロジェクトで彼女達の経験や社会的、または歴史的に続いている女性の立ち位置を世代や文化を越えてジャズというメディアで表現しようという試みっていうことでしょうか。だから一つのジャンルで形成されているのではなく、色々な方向から一人ひとりのミュージシャンがその特徴を活かしながら、皆で一つのモノを創り上げていくという企画です。

しかし今回は、なんとそこに一人の男性が参加していました。Tamir Shmerling というイスラエル人のベーシストです。2009年辺りからアメリカで活動を始めているようですが、なんだか少しがっかり、女性ばかりのアンサンブルと名を打っているのに、なんでやねん!って思ったのですが、何か分けがあるのでしょう。Esperanza Spalding あたりのベースが聴けたらよかったのにと思う、ばあ様なのでした。

1st.set:

1. Mosaic Project part 1 力強いドラムスで始まった今夜のステージ。しかし女性のステージって華やかですね、衣装や雰囲気や、やはり男性ばかりだとこうはいかないでしょう。でも内容は男性の演奏とまったく引けを取りません。引けを取らないなんて言い方は、彼女達にしたら失礼ね!とか言われそうですね。プロの集団なんですもの、上手くて当たり前なのかも。

2. Unconditional Love - Geri Allen の作品です。今回は、彼女がピアノと思ってティケットを買いましたが、実際には若手の Helen Sung に変更されていました。彼女は若手ではありますが、あちらこちらで話題になっていたので興味深深、繊細なとてもインテリジェントなピアノであるけど、押しも強く聴き所ありのピアノでした。ソプラノ・サックスもなかなか色艶のある音色です、そしてあの Ingrid Jansen のトランペットの指使い、雨が降り注ぐように降りてくる指。「やあ、ええわぁ~」の世界です。

3. I'm Your Neighbour, Your Sister - Carmen Lundy のヴォーカル、表情豊かに歌います。私は、どちらかというと強い個性のあるヴォーカルが好きなので、こういうパワフル感じはとても好きなのです。男性陣の好きな4畳半ささやき系のヴォーカルはどれも同じに聴こえてしまって、そんな事を言うと、同じような意見を返されそうですが・・エネルギーが欲しい時はやはり、力強いヴォーカルに限りますね。(個人的見解ですが、誰かさんに睨まれてる・・・気配)

4. Magic and Music - Teena Marie の作品、 二曲続けてCarman Lundy の歌です。これはCDにも入っている曲ですが、このプロジェクトは違った人格、生き方を持った才能が集まって、ユニークなステートメントを提供していると語っています。それぞれが政治的な、社会的状況みたいな事も取り上げています。

5. Transformation - ジャズ、ソウル、リズム&ブルース、なんでもありの Nona Hendryx の登場、70歳というのにこの凄い迫力は何!声が楽器、そうなんです、体全体で音を出しているという感覚なのです。ご存知 Patti Labelle and The Bluebells の一人です。あの凄いコスチュームを着て派手派手の演技で "Lady Marmalade" を歌っていたの覚えていますか。あの彼女がなんと70歳になっているなんて、このパフォーマンスでは信じられません。どう見たって元気溌剌な50代なのです。凄い迫力、もうノック・アウトです。(Nona はJimi Hendryxの従兄弟です)

6. Balade - Nona Hendryx のバラード、声を張り上げるばかりではありません、繊細なバラードも彼女にかかれば静かな感情の爆発。上手い!

7. Michelle - ビートルズの曲をとても興味深いアレンジメントで仕上げています。ピアノもトランペットも効果的に配置されていて、Mosaic Project の意気込みを感じる作品。タダのビートルズではありません。私が彼女の存在を知った頃の、若い Carrington のイメージが強いせいか、50歳も近いというのにとても若く見える彼女に惑わされました。こんなに成長した、素晴らしいドラマーになっておられる事が、ヒシヒシと伝わるステージでした。アレンジメントも一筋縄ではいかない。

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(Photos by manmarukuki 2014)

2nd. set:

1. Body and Soul - セカンド・セットはピアノのソロから始まりました。私はこの Helen Sung の感性がとても好きになってしまいました。The Mingus Big Band、Dynasty Band や Monk Group などでも活躍されているそうです、でもソロ演奏も実に聴かせてくれるではありませんか。この方をもっと聴きたいと思わせる魅力的な演奏でした。(この曲で印象に残っているのが、最近お亡くなりになった Amy Winehouse と Tony Bennett のデュオです。この意外な組み合わせがどういう分けか頭の中にこびり付いています)

2. タイトルが分かりません、ドラムスのソロからスタート。トランペットがめちゃかっこいい!我らカナダ人の誇り Ingrid Jensen の音色がクールで洗練されていると言うか、都会のスリークさというかそういう音色も素敵です。

3. Ethopia - Nona Hendryx が歌う Joni Michel の作品、とても政治色の強いメッセージを含んだ曲。このプロジェクトにはとても合った選曲だと思います。ピアノの力強さが要求される一品。Joni の歌とはまた違った枯れた良さが感じられました。

4. Strange Fruits - この曲もプロジェクトの言わんとする課題の一つだと思います。アフリカン・アメリカンに対する人種差別に対して書かれた詩が、プロテスト・ソングとして有名になったものですが、Billie Holiday のヴァージョンがあまりにも有名です。今回の Nona Hendryx の歌は少し恐かった、ヨーデルのような叫び声が恐怖をもたらしました。ちょっと不快感というか悲しみの叫びというか、複雑な表現を伴った歌でした。

5. Show Me a Sign - Carman Lundy の作品、カテゴリーにはまらないタイプの曲、ベースがうねり、トランペットが流れるように横切ってゆき、ドラムスが時を刻んでいる、そんな空間を Carman の声が希望をもたらしてくれる。

6. Gospel - Carman Lundy と全員で締めくくり、God とか My Lord とか、そういう単語が一杯つまっている曲であるから、きっと教会で良く歌われているのかも知れない。Walk with me とか Hold my hands というフレーズも繰り返されているので多分そうでしょう。今回のコンサートはとてもユニークな人選で、女性ばかりというのもまた興味深いものでした。こういうプロジェクトは、なかなか観る機会がないので行けて良かった。

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Tara Kannagara Trio

コンサート終了後のロビーでの今夜の学生トリオの演奏は、ギターとトランペットという組み合わせ。素晴らしい先輩方の演奏後に、こういう場を与えられるって緊張するでしょうね。でもきっとこの場に立てるという機会を得たという事は、自信にも繋がるだろうし、ここから何処に進んでいくかというのも、これからの課題になっていくのでしょう。これらの生徒達にこういう機会を与えられるのは、やはり学びの場である The Royal Conservatory だからでしょう。初々しい感じが頼もしい!

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Mosaic Project のジャケットを見ていて思いだしたのが、最近撮ったトロントを走るストリート・カーに描かれた大きなタコのデザインです。色合いがなんとなくジャケットと似ていたので直ぐに思い浮かびました。これはトロントに建設された水族館の宣伝なのですが、なんと大胆で楽しいデザインでしょう。少しグロテスクとも言えますが、凄い迫力、ここまで描いたらもう文句なしですね。

トロントの街も、木々の緑が深くなり人々の服装も軽く夏らしくなっています。街角のカフェも今は全開です。アンブレラの陰で珈琲でも飲みながら、人間観察にはもってこいの時期になりましたね。6月はトロントではジャズ・フェスティヴァルが始まります。ばあ様もいくつか行きたいライヴをチェックして的を絞らねばなりませんでした、場所や時間が制約されているのでなかなか希望どうりにはいきませんが、なんとか二つは確保しました。ずっと聴きたいと思っていたピアニストなので来週がとても楽しみです。

では今日はこの辺で、このタコが泳いでいるように短い夏をうんと楽しみましょう!

streetcar500-5-2014.jpg
( photos by manmarukumi )

● COMMENT ●

まん丸クミさん
こんばんは、

このアルバム、魅力的なメンバーが入っていますね。
一押しはHelen Sung、どのアルバムも素晴しく、本盤も無条件に買いで決めました。 そしてIngrid Jensen、マリア・シュナイダーで力強いソロが印象的でした。リーダのTerri Lyne、名前は記憶にあったのですが、どこで聴いたか...紹介の2枚とも持ってました。 両方とも良いアルバムですね。

女性を前面出して売り出す路線は敬遠しますが、このアルバムから連想されるのは蛸?
tam.raは伊藤若冲のモザイク画「鳥獣花木図屏風」が思う浮かびました。

Re: タイトルなし

tam.raさん、こんばんは。

近年の女性ジャズ・ミュージシャンの活躍は目を見張りますね。昔はその数が現代とは比較できないほど少ないと思います。40年代は戦争で男性のミュージシャンが減少したせいで、女性のビッグ・バンドがかなりあったようですが。現在の若いスタイリッシュな女性ジャズ・ミュージシャンには驚かせられます。

例の Tia Fuller などは、Beyonce のツアーに参加していただけに、ビジュアルもピチピチの黒皮のパンツに、コルセットのようなトップ、20センチもありそうなハイファッションなハイヒールに、長い髪はクルクルにセットされジャズのイメージからはほど遠いです。そういう彼女達がサックスを吹きまくるのですから時代は変わったなって思います。

このコンサートで Helen Sung を聴いて、他のアルバムも聴いてみたいと思いました。
彼女のソロ・パートはとても魅力的で人をひきつける力を感じました。
来週は、トロント・ジャズ・フェスティヴァルのコンサートがあるので今からワクワクです。
このピアノは3年続けて見逃したアーティストなので凄く楽しみです。誰だかは秘密。

> tam.raは伊藤若冲のモザイク画「鳥獣花木図屏風」が思う浮かびました。

タコを連想した私の頭の中は、いったいなんでしょうね(笑)
伊藤若冲のモザイク画を思い浮かべたtam.raさんは凄い、あの屏風?のような大画はとても
面白いですね。何時もの彼の精密な描写とは違ったスタイルで、とてもグラフィック的な
作品で興味深いものですね。しかし今でもばあ様はやはりタコしか思い浮かびませんv-12


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