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2017-05

Roaming Around The ROM - 2010.06.06 Sun

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http://www.rom.on.ca/crystal/index.php

6月に入って暑くなってきました。天候の不安定な今日この頃、皆様はお変わりございませんか。さて私は先週久しぶりにトロントにある博物館 ”The Royal Ontario Museum”(aka ROM) に大好きなジャズ仲間のM子お姉様にお付き合いを願って楽しいデートを致しました。という訳でジャズのお話は今回はお休みです。

1914年にオープンしたこの由緒ある博物館の外見が一部このようなリノヴェーションが加えられて私としてはとてもがっかりしています。 ” Renaissance ROM ” というプロジェクトが2003年にジャマイカン・カナディアン・インヴェスターの Michael Lee - Chin が$30 million ドルを寄付してから始まったのですが、この建物の改築部分が ”Michael Lee - Chin Crystal ”として完成したのが2007年でした。Daniel Libeskind という建築家によるデザインです。

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http://en.wikipedia.org/wiki/Michael_Lee-Chin (彼の生い立ちはとても興味があります)

未だにそのプロジェクトは続いており2014年までには27の新しいギャラリーが追加される予定です。この建物は現代建築の世界で6本の指に入るほど素晴らしいデザインとして対等すると言われているらしいですが?私にはなんだか無条件でそれを受け入れる事ができません。なぜなら古い博物館には思い出があり、またその外観である厳かで重圧な古き良き時代の雰囲気が丸つぶれになったように感じるからです。というか私にとっては破壊されたと言いたい位です。私は現代建築が嫌いというのではなく、ただ斬新なデザインを無理やり古い建物に部分的に追加されたこの建物にはハーモニーがまったく感じられないと思うのです。

さて6つの建築物とは、Neue Zollhof in Germany この建物はなんだか上にぐんぐん伸びている感じがスペインの Antoni Gaudi の Parc Guell を思い出させました。 Guggenheim Bilbao in Spain, これは私の好きなFrank Gehry のデザイン。30st。Mary Axe in the UK, これほど異様な建物ってあるかしら、古き都の風景を重んずるチャールズ皇太子はいったいどう思っているのかしら。Turning Torso in Sweden, これはスペインの建築家によるものらしいが、どういう訳か現在私の住んでいる市にもこれと類似するツイストしたハイライズが建築中である、きっとアイデアはここから来たに違いない。Casa de Musica in Portugal, なんだか巨大な隕石が空から落ちてきたような、しかも宇宙人がその階段を下りてきそうな気配も感じる建物だ。Sydney Opera House, これはオーストラリアですが、海に浮かぶような帆をみているようで気持ちがいいですね。

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(トップの写真の反対側、奥から撮ったアングル)

これらに共通しているのは、一つの独立した建築物としてデザインしてあって、ROMのようにオリジナルに付け足してデザインされているのではないって事です。だから奇抜なアイデアでもそれ自体が面白くて違和感がないのですが、このROMに限ってはなんだかオリジナルを破壊させたようで見ていて悲しいというのが私の意見です。特にこの接触部分がいかにも無理やりという感じでいただけません。

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まだ学生だった頃、私はこの博物館に週一で通っていました。それぞれのギャラリーで模写をしたり、ただ仲間達と時間をつぶしたり、この博物館に来るという事だけでも心が躍ったものでした。ディスプレーもオーソドックスでとても観覧しやすかったのです。それにもっと多くの物が展示されていたように記憶しています。

そして改築された部分は、まるで迷路のように通路があちらこちらに延びドアがどのセクションに導かれているのか解りません。もし誰かが何処そこに行きたいと言っても多分説明不可能な複雑さなのである。このデザインって本当に審査でオーケーが出たのって疑いたくなりました。まあ色々とポリティックスも絡んでいるのでありましょうが、あまりの変化についていけない自分を発見して少し寂しくなりました。私の頭はそうとう頑固なのかもしれません。

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さて始めにたどり着いたのは広い空間に壁がありました。”Dan Perjovschi Late News” という展覧会でこれって Comtemporary Culture とか言うカテゴリーなんだそうですが、なんだか人を馬鹿にしたような落書き的な絵が壁のあちこちに散乱して描かれています。これを半年も展示しているそうだけど、よく見れば見るほどこれを税金で賄っていると思うと複雑な心境になりました。
(↓ 唯一、面白いと思えた一コマ)

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新しい博物館の内部は、外見からもわかるようにアングルで構成されています。窓際の多くのスペースは展示には向いていないので、スペースの中心だけが展示に使われていました。なので展示物が少なくなっているのかもしれません。コーナーの使用不可能な薄暗いエアリアには申し訳程度に椅子が置かれていたりします。

ちょっと嬉しかったのはダイナソーのギャラリーがとても明るくて綺麗になっていたことです。以前は暗い岩場を思わせるような時代遅れの古いセッティングにダイナソー達を置いていましたが、今回はこのようにシンプルな展示にされており空間がとても広くて気持ちのよい演出がされていました。これにはまん丸のショボショボした目も大きく見張るものがありました。

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(ダイナソーのある階から階下を見下ろしたアングル)

お次は壁にはめ込まれたショーウインドーの一つ、私はこういう物が好きなのでついついシャッターを切ってしまいます。世界中の兵隊を集めたパレードです。馬車をひいている時代物もあれば、第一次大戦頃の青いトラックもあります。他の壁には貝殻やガラス類などの展示がありましが、これが一番楽しいでした。

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この展示のショーケースに天井からの光が陳列の棚のガラスを通して作られた影があまりにも素敵だったので撮らずにはおれませんでした。ちょっとした発見に心がハッとさせられます。

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このセクションではインド仏教の彫刻などが展示されていました。インドの仏像のなんとセンシュアル(Sensual)な表情。そしてなんとハンサムなお顔だこと、中国の仏像ではこうはいきませんね。目の保養ですね、最期に博物館を訪問したのは何時だったかも思い出せません。これからはもう少し自分の時間を大切に楽しい時間を過ごせたらよいなって思います。

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( photos by manmarukumi )
時折 M子お姉様は、この ”ROM” でヴォランティアで日本語のファイルを英訳しておられます、今回私は彼女の Visitor という事でタダで観覧する事ができました。学生の頃は2-3ドルで観覧できたのに、今ではなんと大人は$22ドルも入場料を払はねばなりません。それもこの改築プロジェクトで値段がつり上がったのでしょう。

この西側の部分は昔のまま、以前はこのエントランスから博物館に入ったのですが、今では使われていません。北側に移された新しいエントランスは、ガラスの壁なのか、ドアなのかも分からないです。写真で見る限りはとてもシャープな造りに見えますが、実際は少しちゃちな感じがします。やはり私は昔の博物館がいいなぁ。M子お姉様とまたのデートの約束をして家路につきました。この日はとても楽しかったです、本当にありがとうございました!

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http://www.rom.on.ca/ (この右手の裏、横側に新しい追加の部分があります)


という訳で、これを書いていたら無性に McCoy Tyner の ”Fly with the Wind ” が聴きたくなりました。Hubert Laws のフルートが効いてるねぇ!


今日もまん丸にお付合い下さってありがとう。


● COMMENT ●

Just Dropping By.

こんばんは、
「The Royal Ontario Museum」の様子、楽しく拝見させていただきました。税金でってのが気になるところですが文化を隠れ蓑にした無駄使いはチェックが要りますねぇ。
 しかし最後にあった「McCoy Tyner」、久しぶりに聴いて気分上々、ご機嫌です。

Re: Just Dropping By.

しんじさん、こんにちは。

おおきな買い物をする前に市民の意見を投書させて決めるとかだったら
とても楽しいのになとは思いますが、実際にそれも難しいですね。

でもいったいどんな基準で学芸員が購入作品決めているのか興味がありますね。
いつの時代もコネや、袖の下が影響すると思いますが。
特にこの壁の落書きをみているとそう感じます。

>  しかし最後にあった「McCoy Tyner」、久しぶりに聴いて気分上々、ご機嫌です。

McCoy Tyner は硬い感じのするピアノだと思いますが、割りに好きなんです。
Fly with the Wind の盤は気分が爽快になると言うか、ダイナミックでおおらかで好きです。

No title

まん丸さん こんにちわ

ステキなガイドさんの解説で博物館見学させてもらいました(笑)。
このブログは、私にとってはオアシス的存在になってきました。
体験的Jazz話の合間々々にトマトの話やら博物館に連れて行ってもらったりと
まん丸に和まされます。
ぜひ、長く続けてください。

アートな少女だったようですねぇ。きっと好奇心旺盛な、ちょっぴり生意気な
少女だったんでしょう(笑)。

では、また。

No title

きれいな写真ばかりです!
パレードのミニチュアは面白いですね。

そういえばパレードなどのマーチングバンドが、ジャズの原型になったという説もあるとなにかで読んだことがあります。

きっとクミさんがこのミニチュアに目を奪われたのも、このことに関係あるかも・・・。

あひる

こんにちは…お邪魔します

先日は優しいコメントありがとうでした。

「The Royal Ontario Museum」って、ホントに変な…ユニークな外観なんですね。
ガウディを思い出すってのも分かりますね~

>インドの仏像のなんとセンシュアルな…

そうですね、ちょっとくねらせたポーズがセクシーですねぇ
つまりは…生殖能力のアピール…生命力の強さ…
って、遺伝子にプログラムされた生物機能の本質の…

あ、また訳のわかんない展開に…

McCoy Tyner の ”Fly with the Wind ”
初めて聴いてかなり感動!
マッコイはコルトレーンとやっていた時の印象が強くて、こういうストリングスを加えたフュージョンっぽい演奏もあるんですね。
途中に、私の持っているイメージ通りの音も聞こえてくるし…

知らなかった良い音楽と出会えさせて頂いて、感謝です。

Re: No title

J worksさん、こんにちは。

ステキというより、(未だに)超生意気なばあさんガイドですぅ(笑)

ジャズの話題ばかりだと、本人が退屈してしまいますので少しだけトロント
や周辺なども紹介するのも良いかと思えました。

J worksさんに、そうしておだてて頂くともっと調子に乗りそうなので
適度におだててくださいね(笑)
でも喜んでいただけて、こちらも嬉しいです。

Re: No title

あひるさん、こんにちは。

ありがとうございます。調子に乗って写真を貼り付けすぎました(^^;
でもこのミニチュアはいいでしょ、昔の鉛かなんかで作られている重いやつ
がいいですね。特に細部の細かい仕事がきれいなのがいいですね。

> そういえばパレードなどのマーチングバンドが、ジャズの原型になったという説もあるとなにかで読んだことがあります。

これは、きっと New Orleans の Funeral March、 お葬式の行列の事を読んでおられるのでしょう。10-12人位のアッセンブルが行列を作り、教会から埋葬場まで楽器を鳴らしながら行進するのですね。所によっては今でのこの伝統が続いているそうですよ。

Re: こんにちは…お邪魔します

ヘビメタ小僧さん、今晩は。

どういたしまして。あの海の写真はとても気持ちが良いですよ。

どういう訳か、美術館も同じ頃おなじような改築をして私をがっかりさせました。
が美術館の方は初めからあまり冴えないデザインだったので、あまり変化が
なくてがっかり度は博物館よりはましでした(笑)

インドの仏像はシヴァ神とか、愛の神様など色々あって興味深いですね。
仏教でもかなりコンセプトも違っているので仏像の表情がまったく違いますね、
またそこが面白いところです。

このマッコイは、コルトレーンとのグループで見せる顔とはまた違っていて
楽しいですね。確かマッコイが初めてストリングスと創った盤だったと思います。
気に入って頂けて良かったです。

No title

クミ様、こんばんは。
博物館は結構好きです。
音がしない空間で展示されている作品を見るのが良いのでしょうね。
普段ジャズばかり聴いているので、音がしない空間は気分を変えてくれます。
一日中いても退屈しないのです。

Re: No title

KAMIさん、v-273今晩は。

博物館、美術館、ギャラリー、図書館、本屋、私のお気に入りの場所
ですが、良く考えてみると本屋意以外は比較的に雑音の少ない場所ですね。
KAMIさんに言われて気がつきました。

> 音がしない空間で展示されている作品を見るのが良いのでしょうね。

そうですね博物館や、そういう場所がとても静かな環境であり続ける事
が大切ですね。変にBGMなど流さないほうが嬉しいですものね。

KAMIさんの仰るとうりです、音がしない空間もたまにはいいもんです。
(日本は音の公害が異常にひどい国だと思います、特に選挙の時期は凄く煩い)

No title

とても立派な博物館ですね。
普通こんな場所は撮影禁止ですが、ここはOKなんですね。日本ではあまり考えられません。

McCoy Tynerも気に入りました。

Re: No title

へなちょこ親爺さん、お久しぶりです。

立派な博物館で宝庫なのに展示できていないのが難点ですね。

撮影は、フラッシュを使わない場合はオーケーです。

一番上の壁の展示も警備のお兄さんに確認してから撮りました。
きっとへなちょこ親爺さんにとっては興味のある被写体が一杯でしょう。

No title

はい、すっかりお見通しです。
興味しんしん。
フラッシュ使わなければOKでしたか。 日本もこんな風にオープンに
してもらえると良いのですが。

9.11!

まん丸クミさん、こんにちわ。

Daniel Libeskind 氏、アノ忌わしい「 9.11 」のワールド・トレードセンター跡地再建コンペに、入賞した方ですね。また、アンビルド・脱建築の難解作品多い事で著名!?な米国系ユダヤ人。

それ以上の事は調べないと判りませんけど、新・旧をバランス良くコントラストさせるのは、結構難しいようですね、お写真で拝見していても、崩れる寸前の緊張感が展示空間から伝わって来るような気配感じました。

事前に、このコンセプトがどんなプレゼンで説明されたのか?興味持っちゃいました。最後のVで、ホッとさせたのはサスガです。

Re: 9.11!

take10nさん、お久しぶりです。

> また、アンビルド・脱建築の難解作品多い事で著名!?な米国系ユダヤ人。

あまりこの方の作品を存じませんが、何故だか興味を持てません。
一体何なんだろうと思いますが、受ける感覚であって理由なんていらないかも。

>崩れる寸前の緊張感が展示空間から伝わって来るような気配感じました。

良く言えば緊張感?悪く言えば違和感というか。なんだか気分が休まる空間とは
違いました。徹底的にモダンにしてクールな空間であれば良いけど、中途半端に
生温いというか、多分展示の仕方にも問題があるのかもしれません。まあ素人には
ちょっと分かりませんが。

> 事前に、このコンセプトがどんなプレゼンで説明されたのか?興味持っちゃいました。最後のVで、ホッとさせたのはサスガです。

いつも最後に優しい一言を有難うございます。ばあ様のやる気がアップです(^^)


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