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2017-06

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Terence Blanchard's A Tale of God's Will (Requiem for Katrina) at The Royal Concervatory 4/2/2016  - 2016.04.15 Fri

terenceblanchard blog
( photo from The Royal Conservatory program 2016 ) Terence Blanchard

なんと今週に入って冬に逆戻り(これを書き始めたのが4月2日です)、体感温度はマイナス15度に下がり、雪まで降る始末です。しかしばあ様の心の中は、熱いトランペットの音色と素晴らしいクインテットの演奏でホカホカなのでありました。今年に入って二回目のライヴ。去年買っておいたティケット、待ちに待ったトランぺッターの Terence Blanchard です。

80年代の Lionel Hampton や Art Blakey and the Jazz Messengers で御存知の方も多いと思いますが、私の場合は、まったくその後からの活躍で彼のファンになりました。(何故かばあ様は Art Blakey が苦手なのであります) 兎に角 Blanchard のエコーを効かせたウィーン、ウィーンという、クネクネした唸るようなサウンドに一時期どっぷりと嵌まっていたのでした。

さてこの A Requiem for Katrina (レクイエム)は、映画監督の Spike Lee の "When the Levees Broke: A Requiem in Four Acts" という10年前のハリケーン・カテリーナによる大惨事による被害を映像化したドキュメンタリーのサウンドトラックです。これを作曲したのが、Terence Blanchard とそのクインテットのメンバーでした。(今回のコンサートのメンバーは異なりますが、 ピアニストだけはオリジナル・メンバーの Aaron Parks でした)

10年前のハリケーンの様子は、こちらのニュースでもよく話題になっていました。それはショッキングな映像で、 今回の日本の東日本大震災を思わせるような状態なのでした。しかしあのアメリカという大国は、あれだけ資源があり、世界の何処かで災害があれば、どんなに遠くの国であれ、即駆けつけるのに、自国で助けを求めている人々には、どうなっているのという疑問を残す結果を招いていました。そこには醜いポリテックスがあった、被害にあった方々の怒りや悲しみ、そういう切ないものがこれらの曲には含まれています。今回のコンサヴァトリーでのコンサートは、「ハリケーン・カテリーナの為の鎮魂曲」。

今回のクインテットのメンバーは:
Terence Blanchard - trumpet
Khari Lee - saxophone
Aaron Parks - piano
Tabari Lake - bass
Justin Faulkner - drums

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(今回は、初めて最上階のお席に座りました。あまりに高い場所で少し怖ったです)

Blanchard は、すでに50以上の映画、テレビ音楽を手掛けており、ばあ様の持ち盤では、同じく Spike Lee 監督の "Malcolm X" などが内容も充実しており、お気にりの一枚です。Denzel Washington が好演していたのが新鮮でした。その他にも彼のアレンジによる "Jazz in Film" という盤もお気に入りです。(この盤には嬉しい事に、Joe Henderson, Donald Harrison, Steve Turre, Kenny Kirkland, Reginald Veal, Carl Allen などが参加)" A Tale of God's Will" はサウンドトラックと言うだけでなく、一つの独立した作品として聴いても素晴らしいと思います。

今回のレクイエムは彼にとって特別なものでした。それは Blanchard がニューオーリンズ生まれというだけでなく、彼がこのハリケーンで多くの友を失い、生まれ故郷が破壊された後に、政府の援助の手が、地域的な(アフリカン・アメリカンの人口が多い地区であった)、政治的な、色々な要素を含んだ複雑な状態に絡んだ故に即救助が届く事がなく、アメリカという国に失望し、また疑問を抱き、その怒りや絶望、どん底からの希望などを含んだ、メッセージが含まれたレクイエムを創作したそうです。観客が演奏から怒りだけを感じるのは避けたかったとも言っていました。ステージに立つ彼はそういうメッセージを伝える為にも、演奏の合間に経験した話を織り交ぜてざっくばらんに観客と向かいあいました。「大国と言われているアメリカは果たして本当にグレートな国なのか、俺にはそれが疑問だよ」と時にはフォー・レター・ワードを使って厳しい意見をぶちまけていました。

現在東日本の復興が遅れているように、彼の故郷ニューオーリンズの特定の地域も完全に復興したとは言えないそうです。そして彼らの経験した事は、アメリカでは起こってはならない事だとも言っていました。災害にあった人々は一つの収容所のような処に動物のように集められ、家族も場合によってバラバラにされ、その為に親の死に目にも会えなかった友人がいたそうです。(まるで戦時中の日系人に起こった悲劇が頭に浮かびました) 話を聞いていると胸が一杯になって涙が堪え切れなくなりました。そして地域の人々が自分達の力で自分達を救わねばならないと強く感じたのだそうです。そしてこのプロジェクトがスタートしました。

この"A Tale of God's Will" のCDの収益はこのハリケーンで被害に遭われた人々に使われるという事でした。そして今でもこうしてこの悲劇を目撃した人々の為にも、道徳的観点からも多くの人々に語り継がれなければならないと、活動を続けていくという事でした。国の政策に失望して信頼をなくした国民のやるせない行き所のない嘆きを表現したということなのでしょうか。でもその気持ちは少しわかるような気がしました。次期選挙のお祭り騒ぎのアメリカ。ドナルド・トランプが大統領になったら、なんて想像しただけでも寒気が走ります(人種差別の暴言を吐いたり、不可解な発言を多発)。それにも関わらずあんなに彼の支持者が多いなんて信じられないですものね、不可解なアメリカの政治、社会です。でもそれも現実のグレート・アメリカの一部なのかもしれません。

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Terence Blanchard のホームページ

Terence Blanchard – Trumpet
Aaron Parks – Piano
Brice Winston – Tenor and Soprano Saxophones
Derrick Hodge – Acoustic and Electric Basses
Kendrick Scott – Drums, Percussion
Zach Harmon – Tabla drums
Northwest Sinfonia, 40-member string orchestra: Conducted by Terence Blanchard

Track Song Title Composer Time
1. Ghost of Congo Square (Blanchard, Hodge, Scott) 3:01
2. Levees (Blanchard) 8:07
3. Wading Through Blanchard 6:27
4. Ashé (Parks) 8:18
5. In Time of Need (Winston) 7:53
6. Ghost of Betsy (Blanchard) 1:58
7. The Water (Blanchard) 4:07
8. Mantra Intro (Scott) 3:22
9. Mantra (Scott) 9:49
10. Over There (Hodge) 7:43
11. Ghost of 1927 (Blanchard) 1:38
12. Funeral Dirge (Blanchard) 5:51
13. Dear Mom (Blanchard) 3:39

さてコンサートの始まりは、ドラムのビートでスタート。このニューオーリンズという地域の歴史から始まります。"Congo Square" というタイトルは、今では地域の人々の集まる場所、物語は奴隷制のひかれた同じ場所から始まらなければなりませんでした。ハリケーン・カテリーナの進行したルートが、なんと皮肉な事に奴隷船がたどった海路とまったく同じだったのだそうです。

ドラムのリズムから次第にトランペットの哀愁帯びたサウンドが加わり、ピアノが後を追いながら少しメランコリーな雰囲気を漂わせて物語は進んでいきます。もうかなり以前に観たドキュメンタリーなので明細が思い出せません。でもこの曲を聴いているだけで、なんだか神聖な場所に立ったような錯覚に陥ります。物語全体を覆う雰囲気は一環して暗い空気が漂ってはいるものの、それから生まれる小さな息吹みたいなものも感じられて、ネガティブなイメージばかりではありません。

ピアニストの Aaron Parks の曲は美しく、気持ちが洗われるようなが透明感あり、このクインテットに必要とされる分けが、なるほどと理解できるのでした。この方も長い間聴きたいと思っていたピアニストだったので、この日はとても期待感もあって、少し興奮していたかもしれません。

Blanchard は、メンバーを紹介する時には、ヒューモアーをたっぷりと入れて楽しく進めていきました。彼が初めて Aaron Parks に出会ったのは、彼がまだ15歳の少年であった頃だそうです。そして改めて Kenny Barron に紹介されてクインテットのメンバーになったのがなんと18歳というのだから驚きです。そして今じゃ、そのツルツルだった顔に、ゴワゴワしたヒゲなんか生えているんだぜ、時が過ぎるのは早いもんだと、愛情を込めて Aaron を見つめる眼。なんだか暖かいものを感じました。

そしてベースの Tabari Lake は、彼が Berkeley で教鞭をとっていた時の教え子だったそうです。その腕の凄さはぴか一、ベース・ギターに持ち替えて少し長めのソロでそのテクニックを披露目。最強の5人ですね。

ドラムスの Justin Faulkner は、Blanchard が完全に信頼を置いているドラマーだそうな。その器量はジャンルを問わず、素晴らしい技術の持ち主で、今回のような繊細なパフォーマンスのような場合には、その輪の中に静かな重要性を見出し、ある日のメタル・ロックで、汗タラタラでイケイケ状態の彼を目撃した時は驚いたぜと、そのカメレオンのような正体に同じ人とは思えない凄さがあったとコメントしていました。

サックスの Khari Lee は、少し年配のアーティストで、Blanchard の娘の先生だという事もありますが、それでも娘には良い点をやってくれなきゃ困るぜっと、冗談交じりでご紹介。Blanchard に寄り添っている女房のような優しい演奏というか、フォローしているその姿勢がしっくりと言うか、礼儀正しい(きちっとしたスーツ姿に、お辞儀の所作に)その姿はなんだか、ジャズ・マンの鏡みたいな印象を受けたのは私だけではないだろう。いや~今夜のコンサートは本当に素晴らしかったな。満足のばあ様であった。

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(雪の後は、どんよりした空、トロントの4月はまだ寒かった)

それから彼は、トロントの天候の事も言わずにはおれなかった。その日は朝から雪が降り始め、午後には少し雪も積もっていた。彼はそれがとてもショックであったらしく、「今日は4月2日だぜ、外を見ると雪が降ってるじゃないか、雪だぜ、雪!俺はねニューオーリンズから来たんだ、信じられないよ。だから即ヴィデオにとって家族に送ってやったんだ、そしたら子供達からは、池のほとりでリラックスしている映像を送ってきたじゃないか。(笑)まったくトロントは凄い処だね!」、彼だけでなく私達だってこの雪にはまいりました。

さて、アンコールは彼のトランペットとピアノの Aaron Parks のデュオでした。スタンダートの曲でしたが、何ていうタイトルだったか思い出せません。曲の終わりに近づいてくると、演奏はゴスペルに変化していました。確か Amazing Grace の讃美歌だと思いますが、最後にはアメリカでもっとも愛されている唱歌で締めくくられていました。そしてある意味で(詩の背景にあるもの)、この曲が一番幕引きに相応しいものだったかもしれません。

久しぶりのコンサートで気分転換が出来ました。最近はお仕事とリハビリと家族の用事で自分の為の精神的なケアーを怠っていたような気がします。やはり好きな何かを定期的に入れて生活しないとダメだなって事を痛感しました。

ブログの更新もなかなか出来ませんでしたが、これは出来なければ無理にしないというスタンスでいるのでプレッシャーは無いのですが。やはり書きたい事が山ほどあるのでそれが出来ないというのに憤りを感じます。更新が少ないと訪問して下さる方も段々少なくなって、最後にはきっと忘れ去られてしまうのだろうけど、それもまた仕方がない事かと思えます。

まったく更新がないにも関わらず、時たまコメントを下さり、ばあ様の様子を尋ねて下さる、ジャズ友様達には感謝です。本当に有難うございます。この数カ月間、お返事できないままで本当に申し訳ありませんでした。

まあとにかくゆっくり、のっそりと続けていきましょう。
自己満足の発信源なんだから。


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(夜のブロアー・ストリートには、目を奪われる赤があった)

ばあ様の、靴フェチというか、靴が大好き。
夜のショーウィンドーにひと際冴えわたるこのチャイニーズ・レッド!
こんなスニーカーを履いて街を闊歩したいものです。
なんていいながら、持っている靴はほとんど黒という始末。
いつか靴の話題も取り上げてみたいと思っています。
「黒の極み」というタイトルで。

My Best 3 in 2015 - 2015.12.31 Thu

おはようございます、こちらは31日の朝です。先日は本格的に雪が降り、すっかり冬景色になりましたが、今日は2度と暖かく、広大な空はどんよりと曇に覆われています。今年は、なんと慌ただしい年だった事でしょう。良い事も悪い事も含め色々な事がありました、最後は大怪我をして大変でしたが、今は全てが丸く落ち着きそうです。

静養している間は、色々な事を考える時間を得て、それなりに有意義な時間を過ごす事ができたと思います。その間、子丸の猫さんである Coda の存在にも癒されました。痛い目に遭いましたが人生には無駄な経験などないのですね、つくづくそう思う事が出来たのでした。そして2016年は、心新たに気持ちよく新しい年を迎える事が出来そうです。

さて今年の「私のベスト3」、後期は時間があったにも関わらずあまりじっくり聴く機会がありませんでしたが。それでも最近元気を与えてくれた盤と、再発見の盤と、新譜を選んでみました。

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Forever - Chick Corea/Stanley Clarke/Lenny White (2011)

二枚組です、最強のトリオに選曲も楽しく、とても気持ちを持ち上げてくれた盤です。やはり Chick はChick なんですね。Trilogy (2014) の三枚組もよかたけれど、これはなんだか文句なしに、気持ちがうわ~っと軽くなった気がします。まあトリオのメンバーの色もかなり違うのでそれは明確でしょうが、今のばあ様の心を明るくしてくれた盤ですね。


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Ballads - Stanley Turrentine, McCoy Tyner, Major Holley, Paul Chambers, Tommy Turrentine, George Benson, Tommy Flanagan, Gene Harris, Horace Parlan (1993)

どの曲をとっても、彼のサウンドは素晴らしいなと思います。God Bless The Child が最高にいい、Shirly Scott のオルガンがなんともいい感じで、サックスにまつわりついています。それに大好きな A Child Is Born も入っているのが嬉しい。タイトルのとうり素敵なバラードの贈り物


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Oscar with Love - Monty Alexander, Lance Anderson, Kenny Barron, Robi Botos, Bill Charlap, Gerald Clayton, Chick Corea, Benny Green, Hiromi, Oliver Jones, Justin Kauflin, Michel Legrand, Ramsey Lewis, Audrey Morris, Makoto Ozone, Renee Rosnes, Dave Young (2015)

オスカー・ピータソンのトリビュート新譜、こんなに多くのアーティストが彼の未発表の曲や、彼の為に作曲された曲だけを集めて制作された三枚組。ほとんどがソロ・ピアノです、静かな夜に温かい珈琲でも飲みながらゆっくりした時間を持つのに最適の盤。こんなに多くの素晴らしくロマンティックな曲を集めた稀な企画だと思います。愛が一杯感じられる作品。

もうすでにドラさんの掲示板「私のベスト3」に参加して参りました。今年もジャズ仲間さんが、どんな盤を選択しておられるか楽しみですね。毎年の事ですが、個性の光る選択で、あっと言わせておられます。皆さまも機会があれば是非気軽にご参加下さな。

今年も、世界中で胸が痛くなる無残なテロや災害が起こりました。年の終わりに無事に生きてこれた事を感謝せずにはおれません。考える処あり、このブログでは政治、経済、世論は掲載しない事に決めています。しかし平和を願う気持ちは強く、またそれを達成するのはいたって困難な現状である事も理解していますが。 2016年が、一人でも多くの方々がその現状から解放される事を祈って、ここで年末のご挨拶をさせて頂きます。たった月一というスロー更新にもかかわらず、このブログに訪問して下さったジャズ仲間の皆さま、今年もお付き合い下さり、本当にありがとうございました。


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(とても美人な猫さん、Coda は癒しの相棒2015年)

来年もまた宜しくお願いいたします。
皆さまの新年が平和で健康でありますように。


Oscar @ 90 - Oscar, With Love concert at TRC 12/11/2015 - 2015.12.18 Fri

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( photos by manmarukumi at The Royal Conservatory 2015 )

昨夜は The Royal Conservatory で、ばあ様にとっての今年最後のコンサートでした。もう半年以上も前からティケットを確保していたので、ソールド ・アウト(完売)というのも心配せずにいられました。その日は何時ものようにダウンタウンにお住いのジャズ仲間のMr.M氏の所に、10分ほどご挨拶に伺うと「僕も行きたいわ」と仰るではありませんか、でもネットではティケットは完売と書いてあったので、もうコンサートのティケットは買えるかどうか分からないけど、とにかくトライしようという事で、ボックス・オフィスまで一目散。

このホールでは Rush Ticket というシステムがあり、当日のショーの一時間前から売れ残っているティケットを、なんと$10で販売しちゃうという有難いシステムがあります。もちろん人気のあるミュージシャンなどはすぐに完売してしまうので、本当に聴きたいアーティストであれば当日まで待つなど到底できないですが。なんと今夜は完売とは言いながらも、奇跡的に最後の二枚が残っていたのでした。そこでMr.M氏はすぐに一枚を購入。時刻は7時前、なんてラッキーな事でしょう。私は$40も出したのに、Mr.M氏はたったの$10でこのコンサートを鑑賞できるのですから。コンサートまで時間があるのでコンサート・ホールの近くの珈琲ショップでまずは一休み。

時間もせまりホールに戻りますと、今日も何時ものように御年配の観客が目立ちますね。さて今夜の出し物はいかに、もしご健在であれば90歳になられる Oscar Peterson のスペシャル・イヴェントです。題して Oscar @ 90 - Oscar, With Love という新譜の発売を記念する、とてもスペシャルなCD完成のお祝いをしようという企画です。

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(ステージに陣取っているオスカーのBosendorfer Imperial piano )

事の始まりは、Oscar Peterson のピアノである Bosendorfer Imperial piano が地下に眠っている。Oscar Peterson がお亡くなりになってから5年後、この素晴らしいピアノの調律にヴィエナからやってきたテクニシャンが、"The Piano needs to be played" と言われたのを機会に、未亡人のケリーさんが多くのアーティストに熱く呼びかけて動ごきだしたのがこの企画でした。Oscar が弾き慣れたこのピアノで、Oscar が作曲したものや、未発表のもの、または彼の為に作られたものだけを集めて制作されました。17名のアーティストがそれぞれの思いを込めて選択したピースを奏でています。参加者には、なんと凄い名前がずらりと並んでおり、今夜はこのCDの企画に参加された、7人のピアニストと一人のベーシストが登場します。

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(この日発売されていた三枚組の新譜)

Kenny Barron, Robi Botos, Bill Charlap, Cerald Clayton, Benny Green, Oliver Jones、Renee Rosnes, Dave Young

なんたる顔ぶれでしょう。長い間聴きたいと思っていたピアニストの名前も、そして今夜ステージに陣取っているピアノは、Oscar Peterson の家の地下室から今夜のコンサートの為に初めて動かされたそうです。司会は、Oscar の愛娘である Celine です。 さあコンサートの始まりです。

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そして忘れていたのですが、このコンサートがインターネットで同時配信されていたのです。そのリンクをここに張っておきますので、お時間があればどうぞご覧下さいな。
Oscar,With Love Free Livestream ←ここからご覧になれます。

一曲目は、Bill Charlap が登場です。A Royal Wedding Suite から Announcement を披露しました。彼がオープニングとはちょっと意外でした。Oscar は1981年に Charles と Diana の為にこんな美しくて優雅な曲を作られていたのですね。

二曲目は、Oliver Jones と Dave Young のデュオで、未録音の娘の為に作曲された Celine's Waltz です。今夜は今迄に聴いた事のない彼の曲が数々聴けるとあってわくわくしますね。Oliver Jones は、彼らが子供の頃からの関係で、なんと Oscar の姉 Daisy にピアノを習っていたのでした。子供の頃よく Oscar の家の前で彼がピアノの練習をしているのを聴いていたそうです。 CDでは、長い間聴いてきた彼なので、やっと生で鑑賞できて今夜はとても嬉しかった。私はステージの裏側に座っていたので、彼のお顔も良く見えて満足でした。

三曲目は、我らが Robi Botos です。彼の選択は、Blues For Smedley、何をやっても上手い、幅の広いその器量には、今の彼の活躍ぶりが何故か分かります。忙しいにも関わらず、一力には頻繁に出演して下さるのが嬉しい。

四曲目は、待ってました!Kenny Barron の登場です。これも今迄にレコーディングされていない曲のようです。Ballad for Benny Carter という思いがこもった曲、彼にこそ弾いてもらいたい曲だそうです。淡々と静かに指がキーの上を流れていくような感じを受ける演奏です。

お次は若い、Benny Green ですね。若いと言ってもかなり昔から Oscar との関わりがあり、初めて彼の名前を発見したのは、1998年の Oscar Peterson & Benny Green から、もう17年も前になるのですね、そして Russell Malone とのデュオ盤で御馴染みの名前になりました。Ralph Moore - Who It Is You Are でも共演していますが、なんだかとてもエネルギーを感じていいと思いました。やはり若い人の演奏を聴くのはいいですね。何か古いモノにはないものが潜んでいそうですから。

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(コンサートの前にケリー夫人が紹介されていた、ヴィエナで制作されたオスカー・シグネチャーの限定版ピアノ)

六曲目は、なんと気になていた Gerald Clayton が Morning という曲を、この曲も今迄に録音されていないお初のピースです。新進の若きピアニスト、色々と注目されている方ですが、今夜お目にかかるとは思いませんでした。 独特のヘアースタイルに、タイトなスーツを着こなして、かっこいい!

お次は、Robi Botos が Canadian Suite から Wheatland、 これは有名だからすぐにカナダ人なら分かってしまうかもしれないですね。Botos が愛を込めて演奏します。彼は Oscar の娘 Celine さんのピアノの先生でもあるんですよ。

ファースト・ステージの最後の曲は Bill Charlap と Renee Rosnes の夫婦のデュオで Sushi です。なんというタイトルでしょう。日本が大好き、和食が大好きな彼のつけたタイトル「すし」は、有名になりましたね。Oscar は、大阪に訪問するたびにある有名なカメラ店を覗くのがとても楽しみだったそうです。日本には深い愛着を持っておられたようです。奏者のお二人は再婚同士で子供が5-6人とか、大家族ですね。とてもお幸せそうな、お二人の楽しい共演です。あっと言う間のファースト・ステージでした。

休憩には、Mr.M氏と二階のロビーで落ち合う事に、彼のティケットはなんと3階のステージ裏でした。でも何処で聴いてもこのホールのサウンドはいいのではないかと思います。とはいうものの、なんだか今夜のベースが心なしか、元気がないような、体調はいかがなものか。そう感じるのは私だけなのか。少し気になるのでした。

セカンド・ステージは、Benny Green の If You Only Knew からスタートしました。なんと優しい曲、彼の創作するものは、とても自然が感じられて、ある時は雄大な風景の中に、ある時は目に見えない繊細な気持ちの奥底に誘ってくれます。そして誰が聴いても理解できる、共通語で語られているという素直さが、愛されているのではないかと私は思います。ジャズに限らず、それがカナダで一番素晴らしいピアニストと言われる所以ではないでしょうか。

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二曲目は、Kenny Barron が再度登場、ちょっとタイトルが分かりません。多分新譜に収められている曲だと思いますが、とにもかくもこんなに近くから彼を観察できるというのが嬉しくて、丁度ピアノに座った角度で私の方向からお顔がばっちりと見えるのです。

三曲目は、Renee Rosnes とベースの Dave Young の美しいバラード Love Ballade、彼女も今回初めて生で聴くピアニストです。オーケストラを編成したり、色々と活躍しておられてカナダで女性でジャズの世界で結構大変な時代を送った話も読みましたが、今はそれなりに自分のジャズが出来るという環境におられる事は素晴らしい、夫である Bill Charlap と最近デュオの新譜を出しておられ益々のご活躍ですね。 2010年のデュオ盤 Double Portait は、少し趣向が変わった盤で好みがあると思いますが、シャガールの絵を使ったジャケットが注意を引いた一枚でした。

四曲目は、Why Think About Tomorrow? を気心のしれた Oliver Jones と Dave Young のデュオで。どれもこれも美しい曲だな、でもそれらはあまりにも人々に知られていない、それを知って欲しいとこの企画を立てられた事は本当に素敵だと思います。

そしてお次はやっと Dave Youngさんのソロがきました。1993年にストロークを患って左腕が使えなくなった Oscar を励まし、その後お亡くなりになるまでずっと精神的なサポートをされたという、友人でもある Daveさんにふさわしい曲、Good Old Friend, 静かなホールにベースの重いサウンドだけが鳴り響きます。なんだか心にジーンとくるピースでした。

そして Oscar といえば、Hyme To Freedom がとても有名な曲ですね。これを聴くと気持ちが一気にピシッとするような気持になります。この曲に秘められた強さとか正義とか、色々なアーティストが好まれて演奏される永遠のヒット作品だと思います。それを若い Cerald Clayton が演奏しました。現在起きているヨーロッパの政治的な複雑で難解な問題、今でも確かに存在する根深い人種問題、それらを背負う今の若い世代、これからの世の中いったいどうなってしまうのであろうか、と思わずにいられない気持ちで聴きかずにいられませんでした。

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(The Bosendorfer Oscar Peterson Signature Edition Piano)

最後に、今日の主人公 Oscar がとても愛したという曲、When Summer Comes を Robi Botos が演奏しました。この曲もなんだかふんわりとした風景が見えそうな曲ですね。今夜はなんと素敵なコンサートだったでしょう。久しぶりのお出かけ、今年最後のコンサートは幸せのテンコ盛りでした。しかもMr.M氏が、この素敵なコンサートをご一緒に鑑賞できて本当に良かったです。

帰りは、子丸が最寄りの駅まで車でお迎えに来てくれました。遅い夜はちょっと心配。行きはバスと地下鉄を乗り継ぎ、なんと1時間半以上もかかってしまいました。はやく運転が出来るようになりたい。もう少しの辛抱ですね。

来週からは、数時間づつではありますが、仕事に復帰します。リハビリはスローでなかなか結果が見えないので、ギブ・アップしそうになりますが、続けて頑張らないとね。

もう12月も中旬を越してしまいました。これから日本も忙しい時期に突入ですね。ばあ様は今年はクリスマス・ディナーは作れないと宣言してあるので、気分的には楽といいましょうか。でもお正月用のお餅と小豆だけは作りたいと思っています。

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(キラキラとショーウィンドーもクリスマスらしさが溢れていますね)

さて皆さまの、クリスマス、お正月のご予定はもうお決まりですか。
ばあ様の今年のホリデー・シーズンは、少しゆっくり出来そうです。

The Bernie Senensky Trio with Harry Allen at Jazz Bistro 9/24/2015 - 2015.11.28 Sat

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( photos by manmarukumi at jazz bistro 2015 )

さあ今日は、9月末に参りましたライヴのお話です。ジャズ・バディーであったS君が日本に帰国される事が決まり、最後にとご招待したのが今回のジャズ・ビストロのライヴであります。

色々なヴェニューの出し物を吟味して、何が一番カナダのジャズ・ナイトの素敵な印象として残るライヴになるだろうかと、思案の末に選んだのが、この The Bernie Senensky Trio with Harry Allen でした。というか本当は長い間、自分が聴きたいと思っていた Harry Allen が出演しているという点ですでに決定ですね。

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Bernie Senensky の通常のトリオと、Harry Allen と思っていたら、なんと今夜のトリオはレギュラーのメンバーではなく、想定外の超素晴らしいメンバーなのでした。ライヴの前にドラマーの Terry Clarke さんが店内におられたので、やはり Harry Allen を聴きに来られているのだと思っていました。

何故なら店内には、最近お亡くなりになったサックス奏者の故 Jim Galloway 氏の未亡人や、音楽関係の方がチラホラといるではありませんか。 やはりトロントではあまり聴く機会の巡ってこない、この Harry Allen なんだものと自分勝手に想像していたわけです。

Terryさんがこちらにやってきたので、前回ビストロでS君と三人で会話した事を覚えて下さっており、「今日はお客様としてですか」と聞くと、「いいや演奏するんだよ」 と仰るではありませんか。しかも私の後ろからベーシストの Dave Young さんがヌーッと表れて、彼が今夜のベーシストだと!

何故僕達が今夜のメンバーだと、ネットのライヴ・スケジュールにも公表されていなかったのか分からないよと Terryさん。そんな分けで私とすればもう最高に嬉しいトリオではありませんか。まさか Daveさんと、Terryさんを今夜一緒に聴けるなんて。ラッキーという分けでS君も Terryさんとの再会に大喜び。

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The Bernie Senensky Interview
(ヴィデオと興味深いお話しが満載、必読のインタヴューです!)

ピアニストの Bernieさんは、もう何回も一力ジャズ・ナイトにも出演して下さっており、このブログでは御馴染みです。マニトバ州生まれの今年71歳です、豊富な経歴にもかかわらず、日本では知名度が低いかもしれません。Art Blakey & The Jazz Messenger にも代役としてトロントのギグだけ参加していた事があるんですよ。(その音源はリンクから)

また Pepper Adams, Chet Baker, Ruby Braff, Randy Brecker, Al Cohn, George Coleman, Buddy DeFranco, Herb Ellis, Art Farmer, Sonny Greenwich, Slide Hampton, Herbie Mann, Frank Morgan, Joe Pass, Art Pepper, Red Rodney, Jack Sheldon, Zoot Sims, Sonny Stitt, Joe Williams, and Phil Woods. など多くのミュージシャンとの共演が彼の経歴に華を添えています。

国内では、 Rob McConnell's Boss Brass, The Maynard Ferguson Orchestra, The Moe Koffman Quintet などの重要なカナダの歴史に残るバンドに在籍していました。現在はレギュラーのトリオに加えて、多くのジャズ・ヴェニューで活躍しておられます。

そして私の愛聴盤である、Bernieさんの "INVITATION" 2011 は、上に挙げたミュージシャン達が彼をアカンパニストとして選んだ理由が垣間見えるでしょう。一曲目の彼の作品からリスナーを引き付けて離さないこの魅力、お歳を重ねられて益々輝いているように思います。

bernie senensky invitation 280
Invitation - Bernie Senensky (2011)

1. Come To Me - Bernie Senensky
2. Blues For E.J. - Bernie Senensky
3. Come Rain or Come Shine - Arlen & Mercer
4. Bill's Waltz - Gen Perla
5. Invitation - Kaper
6. Old Folks - Hill & Robinson
7. Young And Foolish - Hague & Horwitt
8. It's Alright With Me - Cole Poter
9. My One And Only Love - Mellin & Wood
10. Bud Lines - Bernie Senensky

Bernie Senensky (p)
Gene Perla (b)
Ben Riley (ds)

一曲目からぐいぐい引き込まれる軽快なBernie のオリジナル・チューンです、気持ちよく指が踊っています。この盤では三曲が彼のオリジナル、一曲はベースの Gene Perla の作品です。Invitation を聴くと彼のセンスの良さを感じます、いろいろなミュージシャンのこの曲を聴きましたが、まん丸的にマトに的中ってところでしょうか。初めて彼を聴いた時のアレンジメントの面白さはここでも見逃せません。Come Rain or Come Shine や My One and Only Love を聴いたらその意味が分かるでしょう、少し危ういでもそれでいてしっかりとコントロールされたアレンジメントは、 Bernie さんならではの聴かせどころです。ライヴで彼の演奏に興味が湧くのは、同じところに留まっていない、チャレンジ精神なのかもしれません。カナダにはまだまだ素晴らしいピアニストが沢山います、日本のジャズ・ファンにもっと知って欲しい多くの中の特別なお一人です。(5/16/2015のライヴ・リポートから)

上記のインタヴューのリンクで彼の若かりし頃のそのサウンドがお楽しみ頂けるのでお時間があれば覗いてみて下さいな。
(You-tube のThe Jazz Messenger 音源は、トロントでの貴重なもので個人の所有によるものでBernieさんがアップされているようです)

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さて一曲目は、少し早めのテンポで "S Wonderful" です。Harry Allen のテナー・サックスに魅了されてしまったのは、彼の Body & Soul という曲を聴いた瞬間だったのですが、そのリリカルで原曲を崩さないトラディショナルでシンプルな演奏、その技術は確かで素晴らしく、聴く者の心をしっかりと捉えて離さない、上手く表せないのですが、巧みな技で観客を引き寄せるのではなく、ただただその曲の持つ良さを引き出そうとする感情が、溢れんばかりの気持ちの表現力が魅力なのでした。その美しい音色は、ばあ様の琴線に大いに触れたのでありました。

スムーズな一曲目のブローで、もう今夜のライヴは一目瞭然というか、それを感じたS君と目を合わせて頷きあったのでした。二曲目は、Gershwin の "They can't take that away from me" です、客席に Allen さんのパートナーらしき方が、その彼女にたまに視線を移しながら演奏されるバラードは、恋をしている人でなくても、その感情が伝わってくるような愛の溢れ出るようなサウンドなのでした。いやええわぁ~の世界です!

まったく気負いがなく、とてもリラックスして演奏しておられるそのお姿は好感度も良し。トリオのメンバーの雰囲気もなんだかとても暖かい、なんて素敵なライヴのスタート。しかもライヴの前のお食事もこんなに柔らかなポーク・チョップは稀と思えるくらい、カナダに来て初めて美味しいと思えたダブル・カットのポーク・チョップでした。食いしん坊のばあ様はこの時点ですでに満足度が急上昇ですね。

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(Bernie Senensky, Terry Clarke & Harry Allen at Jazz Bistro 2015 )

三曲目では、彼のオリジナル "June Song" 音符に乗ってそよ風が運ばれてきた。そんな印象を受けた曲、彼のお人柄というか、気持ちの良い爽やかさを感じる作品でした。そして四曲目は "But Beautiful" ここまでは彼の良さが満載のバラード仕立てで、トリオもソロのパートになると待ってましたとばかりに、自分の持ち味を披露するのでありました。久方振りに聴く Dave さんのベースはやはりいいなぁ、少し前に手の手術をされたと聞いていたので、心配していたのですが。今日の演奏ではまったく違和感なしでした。いつもの彼がそこに存在しておられました。今夜のステージの面々は完璧、素晴らしい!

お次は、Woody Herman の曲 "Apple Honey"です。ここではドラマーの Terryさんが大活躍、威勢のよいドラミングで曲を盛り上げます。今回のライヴは、ドラムスとテナーが遊んでいるというか、あれだけ肉体的な演奏をしておられるのに、70歳になられる彼からまったく疲れがみえない。 以前に人生で今が一番、体調が良いんだと仰っていましたが、その小柄な体からはエネルギーがみなぎっているのが感じられるのでした。プロってやはり凄い!

Terryさんは、2002年にカナダ政府から、The Order of Canada という賞を受賞されました。これは色々な分野で優れた業績を築き、足跡を残された人々を対象に、社会に貢献された国民に贈られる栄誉システムで、ベーシストの Dave Young さんも受賞されています。またTerryさんは2004年から5年間連続で National Jazz Awards で最高のドラマーとして選択されました。現在でも世界中を飛び回っておられる、長く人気を持続されておられるドラマーですね。

Terry Clarke の bio はここからどうぞ


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Bernie Senensky の myspace はここからどうぞ

2nd set の始まりです。休憩にはお写真を撮らせて頂いたり、少しお話を聞かせて頂いたりしました。実は、上のお写真もわざわざポーズを取って下さったのです。こちらのライヴでは、写真を撮ったりする事もあまり煩く言われないのでラッキーと言いましょうか。後でご本人の承諾さえれ頂ければブログにアップもオーケーという事で、日本のジャズ・ファンに発信するのだと伝えると、ほとんどのミュージシャンがそれ用に笑顔で応えて下さる親切さです。本当に普通にリラックスして接して下さるのが嬉しいです。

さて一曲目のタイトルが思い出せずじまいです。まあ何時もの事だから仕方がないですね。二曲目はサックスとドラムスのリスポンスが楽しかった"The Way You Look Tonight" でした。彼のスタイルは、いわゆる Lester Young や Howkins や Webster から影響されるオールド・スクールと言われるスタイルだろうけど、そういうカテゴリーにハマらない柔軟性や新しさも感じられてとても素晴らしい今夜の演奏です。日本では人気があるのでしょうか、日本のレーベルからなんと40枚もの盤が発売されていると聞きましたが、なんだか頷けます。

どこかで読んだ記事に、Stan Getz がある時、テナー・サックスのソロリストとして完璧なアイデアって何だろう?と質問された。彼の答えは、僕のテクニックと、Al Chon のアイデアと Zoot のタイム(time)で、それを具体化する事が可能なのは30歳の Harry Allen なんじゃないかと言ったそうです。20年以上も前にこういう評価をされているなんて凄い。(年齢的にAllenはまだ30歳にはなっていなかったのではないかと思うのだけど)プロとしてのギグが、Zoot の代役だったというのも驚きです、まあ若い時からそんな評価がされていたという事なんでしょう。とにかく彼の生演奏を聴いて気持ちが浮上するような感覚を覚えたのでした。

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Dave Young のホームページはここからどうぞ

お次は彼のオリジナルのスロー・バラードです。美しい旋律、そのスムーズなブローはエフォートレスに聴こえますが、それがどれだけの技術を要するのか計り知れません。それをなんでもないように、いとも簡単そうに演奏するのがプロなのでしょうね。今迄に体験したテナー演奏の中で文句なしに最高に良かったです。とにかくリラックスしたマナーで演奏している今夜のミュージシャン達の楽しそうなこと。

次はボサ・ノヴァですね、"One Note Samba" ピアノが気持ちよくスイングしています。やはり本物のピアノで聴く Bernie Senensky はいいなぁ、どんなジャンルであっても彼の個性が光っています。古い殻を毎回ぬぎ捨てるような新鮮さ、場所によってまったく違う演奏を味わえる興奮を与えてくれるのでした。カナダの70代のミュージシャン達は頑張っていますね。最後の二曲は、スタンダートで御馴染みの "Sunny Side of the Street" でした。アップ・テンポで皆さんが楽しく会話をしています。今夜はスタンダードが多いでしたが、最後は彼のオリジナルで "Beautiful to Me" という曲で締めくくりました。あまりにも素晴らしいサックスの演奏と想定外のトリオのメンバーで、今夜は本当に満足なライヴでした。

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Harry Allen の←ホームページはここから

今夜はS君との最後のライヴでした。ばあ様のボディー・ガード、ジャズ・コンパニオンとして本当にお世話になりました。いつも急なお誘いにも時間を都合してお付き合い下さり、心より感謝いたします。

S君の御蔭で、一人では行けない遅い夜のライヴにも通えました。夜遊び大好きのばあ様です。こんな素敵なジャズ・バディーをまた見つけるのは至難の業ですね、なんといっても息子のような若者なのですから。短い間でしたが本当に有難う!

日本での新しい生活、そして新しい環境での研究の御成功をお祈りいたします。

最後に Harry Allen を一緒に聴けて本当に良かったです。



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Jazz Bistro

亀の如く - 2015.11.08 Sun

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( photos by manmarukumi 2015 view from condo )

11月に入ると朝夕がめっきり寒くなってきました。すでに10月末には初雪も少し舞い上がり、人々の装いも冬支度に入ったミササガ市です。日中は10度位でお出かけには最適な気温ですが、なんとばあ様は職場で事故にあい(転倒した折にぶつかった本箱の角に凄いインパクトで肩を激突)、右肩脱臼、右腕骨折という羽目に、しかも眼鏡で目と眉毛の間を切るという救急事態に、お出かけどころか半軟禁状態でした。

アッと言う間に5週間が過ぎ、ようやく右腕をスリングで支えている状態にも慣れて、なんとかキーも打てるようになり、片腕で簡単な食事も作れるようになりました。しかし右手はスリングをしていても工夫して上手く使えるようになったので、かなり出来る範囲も広がってほっと一息、まあこういう経験もありかと前向きに生活している次第です。後はリハビリの時期がそこまで来ているのでもう少しの我慢ですね。車が運転できないと仕事には戻れないので少し焦りもあるのですが、焦ってもどうにもならないですから、もう「なるようになれ」の心境ですね。この間に身も心もうんと静養しておきましょう。

こんなに時間があったのに、どういう分けかジャズを聴く気になれず。長い間ただただ娯楽系のミステリー本に没頭していました、余計な事を考えなくてもよかったというか、久しぶりに宮部みゆき以来、娯楽本に嵌まったというか、内田康夫の「浅見光彦シリーズ」にどっぷりの日々でした。しかしやっとジャズ・モードのスイッチが入ったようで、あの盤を聴きたいとか色々なジャケットのイメージが頭の中を行ったり来たりし始めました。そういう分けで手当たり次第にこんなものから聴き始めました。

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(霧で視界がとても幻想的な光景でした、なんだか海底にいるような錯覚に陥る)

Herbie Steward - Herbie 's Here (お気に入りの盤、ほっとする音色)
Ahmad Jamal - At the Spotlight Cafe
Chet Baker - September Song
Marc Copland Trio - Haunted Heart and Others
Pat Martino Quartet - Undeniable (このメンバーの Tony Monaco を今年やっとライヴで聴けました、良かった!リポートは後程)
Jutta Hipp - with Zoot Sims (ジャズ友さんのブログの記事をきっかけに聴き直した盤)
Jutta Hipp - At The Hickory House vol.1
Jan Lundgren Trio - Plays Cole Porter Love Songs
Kasper Villaume Trio - Estate
Sir Charles Thompson - The Jazz Legend (珈琲を頂きながら、静寂な心が戻る一枚)
Kiyoshi Kitagawa - Prayer (あるコンサートで Brian Blade のドラムスを聴いたのに、印象が今一だったのが残念、クラシカルとジャズの混合だったが、今迄に一番がっかりしたコンサート、リポートにも書けていないが、この盤は別もの良い盤でした) 
The Doobie Brothers - Minute by Minute (息抜き、1970年代のばあ様の定番)
Maria Schneider - Coming About
Nguyen Le - Songs of Freedom
Barney Wilen - Barney (この盤、好きやわ~)
Carmell Jones - The Remarkable Carmell featuring Harold Land (これもええわぁ!)
Jancy Korossy - Creat Jazz Piano
Joop Van Deuren Trio - Private (Waltzing Matilda を調べている時に、ジャズ仲間さんから頂いた大切な一枚)
Michel Portal - Bailador (ジャケットがかっこよすぎ)
Teddy Edwards - It's About Time
Dollar Brand (a.k.a) Abdullah Ibrahim - Reflections (初めて彼のピアノを聴いたのは高校生の時だった)
The Super Premium Band - Sound of New Yourk (Kenny Barron、Ron Carter、Jack DeJohnette 素敵なトリオ)
Cedar Walton - One Flight Down (Joe Farnsworth のドラムスが好き)
John Coltrane - My Favorite Things
Gerry Mulligan Art Farmer Quartet - in Stockholm & Hollywood 1959
Barney Wilen - Jazz sur Seine (Barney やっぱし、ええわぁ)
Andre Condouant - Brother Meeting
Enrico Rava Quintet - The Words and The Days (大好きな The Wind という Russ Freeman の曲が入っている)
Kurt Rosenwinkel - Deep Song
The John Young Trio - A Touch of Pepper (Inchworm ポール・マッカートニーの新譜にも選んでいた曲)
Phil Woods - Pot Pie ( 故人を偲んで聴いてみました、とても楽しい盤です)
Phil Woods - Bird of Feather
Ron Carter - It's The Time (このトリオの Mulgrew Miller も逝ってしまわれたなんて・・・)

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(もう6週間近く一緒に暮らしている Coda という子猫)

さて怪我をした翌日になんと、子丸が CODA を預かってと連れてきたではありませんか、「オーノー!なんでやねん」 、自分の身辺の事もまともに出来ない状態なのにと、始めはなんという無神経な奴と怒っていたのですが、まあ色々な事情もあって当分預かる羽目に。そうです例の毛の長い猫様が同居人?になってしまったんですね。お掃除もちゃんと出来ないばあ様のコンドは、猫屋敷化し、毛玉がそこ等中に飛び散る始末、しかし手が自由に使えず毎日家にいるというのは退屈なものです。5週間目にもなると CODA は良き相棒になり果てたのでありました。睡眠時には私の枕に自分の頭をちょこんとのせ、前足を私の肩に置き、ばあ様と並んで寝る仕草の可愛い事。動物って飼っていると情が湧いちゃいますね、でもやはり早く飼い主の子丸の元に返って欲しいです。

前回キズ付けられた皮のソファや爪とぎ椅子など、カヴァーをかけてカキ傷予防をしてあるのですが、それがまた見た目にとてもかっこ悪い、視覚的にもう表現する言葉が見つかりません。お見舞いに来て下さるという方々にもせっかくだけど、お気持ちだけで十分とお断りする始末です。本当はお会いして、おもいきりお喋りしたいばあ様なのですが、私自身これだけ猫の毛が目立つ場所には行きたくないから。床がダーク・ブラウンという色も、白い毛が目立つ要素なんだけど、毎日床をはいて、毛をブラッシングしても一杯落ちているのにはもうお手上げです。11月末までというお約束ですが、どうなりますやら。

さてこの機会に、溜まりに溜まっているトピックの整理でもする事にしましょう。長くキーを打っていると少し肩の具合が悪くなりますので今日はこの辺で。まったく更新していない状態でも訪問して下さるジャズ仲間の皆様、本当に有難うございます。早く右腕が自由に使えるようになりたいものです。


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(ばあさま、もっとあそんでくれないかニャ~)

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